技術者として知っておくべき用語集

技術者が身を置く業界では、長きに渡って培われ伝承されて来た、いわゆる教科書には出て来ない用語が慣用的に活用されている場合が多い。新入社員を始め、異動や転職等で環境の変化に伴いこれらの用語の理解がシームレスなコミュニケーションに役立つことが少なくない。また多岐にわたる技術分野の統合プロジェクトでは、他分野での基本的な用語や考え方に戸惑うことがある。

この用語集は、日本技術士会登録グループ「IT21の会」の老若男女のメンバー有志による経験を基に、それらの対応への一助となるべく各用語を纏めて用語集として公開するものである。

※ 一部、会社名や商品名等に商標の類が含まれています。また、内容に間違いが有った場合にも、一切の責任は持ちません。

※ 無断転載等を禁じます。本用語集の著作権は、IT21の会に属します。

英数字・記号

1+n施策

1件バグが出たら、同種バグをn件発見するというもの。元々はNECでの施策。

2の補数(1の補数)

負の数を2進数で表現する方法。電子計算機等で2進表現された数を扱う場合に、加算器のみで減算を実現する為に使われる。

ある正数nに対してn+x=0となるxが負数(0は元)であるが、2進数の最上位桁を負の符号表現とすると、負数は単に正数の0と1を逆転させれば表現可能である。これを「1の補数」という。1の補数xを用いて加算器でn+xを実行すると「0」にならず全ての桁が「1」の状態になる。このため「1の補数」を+1したものを負数として用いる。これを「2の補数」という。

3J

医療機器分野で、関連する3団体(JAHIS、JEITA、JIRA)のことを表す。経済産業省での「医療用ソフトウェアに関する研究会」や、それに関連する報告書等に見られる。ちなみに3団体とも一般社団法人で、保健医療福祉情報システム工業会 (JAHIS)、電子情報技術産業協会(JEITA)、日本画像医療システム工業会(JIRA)。また、”トリプルJ”と呼称される。

ACKがない

返事がない。

AVR

自動電圧調整器(Automatic Voltage Regulator)のことで、スイッチングレギュレーターを指す場合が多い。また、Atmel社が製造しているマイコンの名称でもある。

BOM

Bills Of Materialsの略で、部品表のこと。 製品の製造のための部品の一覧や、場合によってはその階層構造を表す。ソフトウェアのような無形なものの部品コード付けを行ったり、企業の各部門でのコードを全社/全グループでの共通化に取り組んでいるところがある。

なお、文書交換やファイル形式でのBOMは、Byte Order Markの略で、UTF-16でファイルの先頭に3バイトのコードを付与する。(BOMなしのUTF-8を「UTF-8N」と表すことがあるが、むしろUTF-8が元々BOMなしである。)

CCR

Center Control Room。中央制御室のこと。また、単にコンピュータ室を指す場合がある。

CIA

・公認内部監査人のこと Certified Internal Auditor

・情報セキュリティの3要件のこと(C:機密性 I:完全性 A:可用性)

・USAの政府機関の一つ

CRでなまらす

CRの積分回路にてチャタリング等を除去すること。

CSV

テキストをカンマで区切ったファイル形式(Comma Separated Values)が一般的であるが、他にコンピュータ化システムバリデーション(Computerized System Validation)がある。後者は、コンピュータシステムが正しく開発され、意図したとおりに動作し、その維持されていることを検証し保証する取り組みで、薬事法に関連したガイドラインなどが発行されている。

EOE

End Of Engineering。メーカー技術サポートの終了を言う。ここでの技術サポートとは、改良部品の提供、ソフトウェアの修正や新機能追加などを指す。

EOL

End Of Life。製品終了で、サポートも終了の状態を言う。

EOS

End Of Service。メーカーの保守が切れる時期で、機械の使用を停止する時期を見極めるのに必要。他にEnd Of Salesの意味で使われる時があり、そちらは販売の終了のみで技術サポートの提供は行われる状態。

EOSL

End Of Service Life。製品の終了で、サービスやサポートも終了する旨をより明示的に示している。

Guide 51

ISO/IEC Guide 51のことで、正式名称は「Safety aspects - guidelines for their inclusion in standards」。対応JISは、JIS Z 8051である。安全設計の基本概念を示しており、他のISO含む規格等で参照されることが多い。ちなみにGuide 51での安全の定義は、”受容できないリスクがないこと” (safety: freedom from unacceptable risk) である。

GW

ゲートウェイ(通信機器の1つ)のこと。

GA

General Availability。製品出荷のこと。またソフトウェア製品の正式リリース(一般向け提供開始)のことを指す。ほかに、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)の略称で用いる時がある。

GM

Golden Master。アプリケーションソフトの、CD等のユーザ向け出荷バージョン。RTM(Release to Manufacturing)と呼ぶ場合がある。なお、RTMはマイクロソフトでの呼称でも用いられるが、OEM先への供給を指す場合があり、多少GMとニュアンスが異なるかもしれない。ちなみに、その前のリリース予定のバージョンは、RC(Release Candidate)と呼ぶ。

iSUPPORT

IPA(情報処理推進機構)が提供するセキュリティ診断ツール。主に中小企業が対象で、①教育コンテンツ類を提供する「セキュリティ支援ツールポータル(SSP)」と、②中小企業のIT化を支援する専門家向けのプレゼン支援コンテンツ「セキュリティプレゼンターポータル(SPP)」で構成される。

JV

Joint Venture:ジョイントベンチャー。共同企業体のことで、複数の企業等が共同で事業を行う組織のこと。主として土木建築業界での大規模工事で運用されてきたが、他の分野でも使われるようになっている。なお、国としての制度化は、昭和26年に行われている。

KKD

「勘(Kan)、経験(Keiken)、度胸(Dokyou)」を頼りにする事を、頭字語的に表現したもの。他のプロジェクトの見積もり手法との対比として、KKD"法"と表現することもある。厳密な見積もり手法でも誤差が大きかったり経験則などを尊重する意味でKKD(法)も捨てがたいとの意見もあるが、一般的には前近代的なプロジェクトを表現する時に用いる。

KYM

危険予知ミーティングのこと。(現場作業での朝礼にて)

Lカセみたい

技術的には優れているが、時代にマッチせずあまり普及しないまま消滅したものの例として用いる時がある。Lカセットは、コンパクトカセットテープのシェルを大きくしオープンリーステープと同じ幅の磁気テープに録音する形式のもの。1970年代末に登場したが、コンパクトカセットテープ自体の音質向上や録音でのデジタル化が進んだために普及しなかった。

MCU

Memory Control Unit、あるいはMicro Control Unit。車載の場合は後者で、車載用マイコンと呼んでいる。

NDA

Non-Disclosure Agreement(秘密保持契約)。相手方に秘密を漏洩させないように、秘密保持契約を結ぶ。特に、業務システムの開発を外注に出すときなど、非公開の業務情報を漏らさせないことを目的とする。

PIC

Peripheral Interface Controllerの略で、Microchip Technology社が製造しているマイコン。日本では、後閑哲也が数多くの書籍を出版した関係で、入門者用のマイコンとして定着した。

PWM方式

パルス幅変調方式(Pulse Width Modulation)のことで、モーターのOn/Off制御をパルス幅により行う方式。On/Off割合の比率を、デューティー比と呼ぶ。ソフトウェアによりモーター制御を電圧の高低で行う方式と比較して、外付け回路がシンプルになったり微細な制御への対応が容易に行えるメリットがある。

ROM状態

ROMは、Read Only Memoryのことで、データが書き込まれた後、追記不能状態になるメモリー素子。このことから会議の最初だけ発言に参加、ないし挨拶を交わした後は殆ど発言しなくなることをロム状態と呼ぶ。

ROM焼き

データが書き込まれていないROM素子にデータを書き込む事。または、そのようにして一つの元データを多数のROMに書き込み複製すること。「焼き」というのは、銀塩写真をネガフィルムから投影して「焼き付け」て複製することから「焼き増し」と表現したことになぞらえ、データをROMに複製することを焼き増しの意味で使った。 80年代には、「ROM焼いて」と頼んだら高価なROMを焼却炉に放り込んだという笑うに笑えない実話が多々あった。

SES契約(システムエンジニアリングサービス契約)

IT業界でのシステムエンジニアが行うシステム開発等の委託契約の一種。請負ではなく、委託契約(むしろ準委任契約に近い)である。客先常駐などの場合に利用されることが多い。2019年の民法改正の施行で、本契約も含め細部の見直しや修正が行われることが考えられる。

SPA

エスピーエイ。服の商品企画、製造、販売を一貫して行う業態。

SPD

物流関係では、Supply Processing & Distributionの略。医療関係での病院内の在庫管理の効率化が進んでいるため「院内在庫管理」「院内物流システム」と訳されている。電気関係では、Surge Protective Device。「サージ防護デバイス」と訳され、避雷器を指す場合が多い。

SS

・拡散スペクトラム(技術)

・(日)サービスステーションの略

・日本では特に意味はなく何かの略称として「SS」「S.S」を用いる事があるが欧米ではナチスドイツ時代の親衛隊(ナチス党の私的軍隊):Schutzstaffel を思い出すため使われない事が多い。海外との関係を持つ場合には気をつけた方が良い。

Z(の読み方)

日本ではゼットと読む人が多いが、アメリカではズィー、イギリスではゼッドと読むのが通例。なお、イギリスと書いたが、カナダやオーストラリアのような英語圏でも同様。また、英語と米語では、他に単語や文法で異なるものが少なくなく、ヨーロッパ仕向けでは、米語ではなく英語を使用する場合が少なくない。

Σ計画のようだ

Σ計画は、1985年からスタートした日本政府のプロジェクトで、日本政府が音頭を取っての官民プロジェクトの失敗例を指す。

○○○タイマー

一定期間後に、機器の故障が発生する様を述べる時に用いる。計画的陳腐化とも言える。○で伏字にする場合や具体的な社名とする場合がある。後者の代表格は「ソニー」で、ソニータイマーとして、ウィキペディアにも掲載されている。

あいみつ

何社かに見積もりをとる「相見積書」のこと。

隘路

あいろ。プロジェクトなどを進める上で、妨げとなる弊害や条件。クリティカル・パスの訳語として用いることがある。(年配の技術者が使う時あり。)

アイソレーター

フォトカプラを指す場合もある。

青写真

将来構想のこと。(設計図を青焼きで見せていたことから、英語でもblueprintという)

青道

あおみち。昔は、河川や水路で有ったものが、公図に書かれているが、地番の記載がないものは、青線で書かれていた、その敷地を青道と言う。

赤道

あかみち。いわゆる「里道(りどう)」のことである。 道路法の道路としては認定されていないが、大部分は国有財産である。

当て馬

システム開発の入札などで、契約先を既に決定しているのにもかかわらず、更なる値下げ要請を行うためにとる相見積り。

アップコン

アップコンバート(up convert)。信号・データを、より多い情報量の形式に変換する事であるが、専らある映像をより高精細な映像の規格に変換する場合に利用される。具体的には、SD映像を4Kハイビジョン映像に変換するなど。

逆に「ダウンコン」という用語も使われることがあり、4Kハイビジョン映像をハイビジョン放送で流す場合などで使われる。

アナンシェーター

プロセスの状態が、異常になったことをオペレータに伝達する手段として、表示装置に表示し、かつ音声信号を発して注意を促すシステムのこと。

尚、標準規格としてISA規格があり、耐サージについてはANSI、IEEE規格がある。

アニール

anneal。焼鈍とも表現される。熱処理を行いガラスや樹脂の性能を均質にすること。金属工学における「焼きなまし」(金属材料を熱した後で徐々に冷やし、結晶を成長させてその欠陥を減らす作業)をさす場合もある。

暴れる

建設業界では、木材などが、乾燥すると、大きくそってしまうことを言う。

また、電気・電子関連では、波形が乱れることを言う。

網掛け

怪しい箇所にログを挿入すること。

洗い替え

「あらいがえ」で、洗替や洗替えとも表記する。データベースの取込などで、全件削除後に全件取込の方法を表現する場合がある。経理やクレジット業界では、全面的なデータ入れ替えを意味しつつ、細部では様々な意味を持つ。

暗号化

平文を関数である暗号により処理する作業を「暗号化」という。 厳密には、それを元の平文に戻す事は「復号」といい、「復号化」とはいわないが、一般的には区別は無く使われる。

按分

基準となる数量に比例して物を分けること。

生かす、殺す

「生かす」は電源on、「殺す」は電源offのこと。(電気工事全般で用いられる。)また、プログラムの機能を有効にする(生かす)、無効にする(殺す)際にも用いられる。例えば「コメントアウトして殺す」と言った使い方をする。

半導体のこと。

行ってこい

折り返すこと。

移動機

技術文書や技術者同士の会話では携帯電話の本体を移動機と呼称する場合がある。

一発もの

スポット的に製作するもの。(反対語:流れもの)

一気通貫

通しであること。

いもづる式

芋のつるのように接続されるRS-485などのマルチドロップ方式のこと。

入口対策と出口対策

セキュリティに於ける対策で、入室時、入力時、情報を受け取るときなど入り口で検査、認証を行って脅威の侵入や不正要因を下げるものを入り口対策と言う。これに対して、情報の持ち出しやメール等情報を内部より発信する際にその内容の確認を行う活動を出口対策と言う。 標的型攻撃のように小さな脅威を侵入させて外部と長期接触しながら内部を攻撃する仕組みを構築してしまうような方法に対しては、出口対策も必要と言われている。

員数

いんずう(「いんすう」とも)。物や人の数のことであるが、製品や部品などの数量を表す。”員数表”を元にして確認する”員数チェック”などとして使われることが多い。

インチング

クレーンが、走行後に停止した際、イナーシャ等で目的の位置から外れた場合に、低速で前進・後進を繰り返し、正しい位置に停止させること。

インテリジェント

端末等において、ダム端とは異なり端末自体にある程度、独立した機能を有しているもの。

インバーター

直流から交流に変換すること。またデジタル回路の論理を反転させる場合にも使用する。

インピーダンスミスマッチ

”リレーショナルデータベース(RDB)のレコード”を、オブジェクト指向言語での”オブジェクト”として、うまく扱えないこと。アプリケーションに、O/Rマッピングを利用するのが代表的な解決方法である。ちなみに「インピーダンス」は、交流電気回路での電圧と電流の比で、直流回路での抵抗(R)に相当する。電気回路では入力と出力のインピーダンスを一致させるのが原則であり、インピーダンス整合(impedance matching)と呼称する。

ウェス

ぼろ布のこと。(柄のないウェスが欲しいときは”白ウェス”と言って注文する。建設工事全般で用いられる。)

打つ

コンクリートを流し込むこと。「コンクリートを打つ」のように利用する。(正式には”打設”。建設工事全般で用いられる。)

裏で動作する

バックグランドで動作すること。

エフ

電源ケーブルで一般的に使われるVVFケーブルのこと、ちなみに西ではVa(ブイエー)と呼ばれる。(電気工事全般で用いられる。)

エンジニア

技師、技術者。

・日本では技術業務に従事する全ての者を称している。欧米では工学系の高等教育を修了し、研究開発の上級業務に従事するものに対する称号である。 (欧米型企業では採用時から一般職と上級職(管理職 経営幹部候補)に分かれてることが多い。)

・船舶乗組員の機関士 海軍機関科士官。

・第二次世界大戦以前の日本では、「技師」(大企業の課長級)、「技術職の高等官」(高級官僚 将校)にある者が技術者であり、旧制高等工業、旧制帝大の卒業者でなければ成れない身分でもあった。それ以外は技手、工手、職手、工員という身分で区別された。

炎上

なんらかの不祥事などをきっかけに掲示板やブログ等が爆発的に注目を集めることや、プロジェクトが制御できなくなることをいう。

オーバーフロー

なんでも溢れてしまう様。

お釈迦

没にすること。

お行儀の悪いプログラム

GOTO文やジャンプ命令が散見し、分かりづらいソフトのこと。また"スパゲッティ状態"ということもある。

納まり

おさまり。部材の組合せや精度などが、美観上も含めてうまく仕上がっていることを指す。「納まりがよい、悪い」と使い、メカ的以外の状況でも使われることがある。

落ちる

予期せぬエラーでプログラムが異常終了すること。

親元

おやもと。出向した技術者や官僚の、元の籍がある会社又は省庁を言う。

オリコン

折りたたみコンテナの略称。主要部分が、簡単に折り畳むことができる小型のコンテナ(ケース)。保管する際は、折りたたんでコンパクトに段積みでき、使用する際に組み立てて使用する。

オワコン

いわゆる若者言葉の類で、「終わったコンテンツ」を略したもの。流行遅れになった漫画やゲームを指すことが多かったが、廃れたITサービス等を指すことにも使われるようになった。似たような言葉として、「キラーコンテンツ」を略した「キラコン」がある。

オンスケ 

オン・スケジュール(on schedule)を略したもので、作業や計画がスケジュール通りに進んでいること。仲間内で使われるのがもっぱらである。公式な場では”オン・スケジュール”と略さなかったり、「○○日のスケジュール案のままで進んでる」とか、「一部前倒しで進んでいるものもありますがスケジュールV○.○のままです」みたいな表現を用いる事が多い。

会社名

読みと本来の社名表記が異なったり、新聞等で別呼称を使ってる場合がある。前株と後株の表記もこの類で、ビジネスでやり取りする場合は注意。

・読みとの違いで注意の社名:味の素ゼネラルフーヅ、、キヤノン、キユーピー、ニッカウヰスキー、富士フイルムなど。

・新聞表記が異なる社名(括弧内が正式):JR東日本(東日本旅客鉄道)、ホンダ(本田技研工業)など。

・会社と ”グループ” が付く社名が別会社 : ソフトバンクと ソフトバング G、 ソニーと ソニーGなど。 なお、いわゆる企業グループと明示的に区別する場合 、ソフトバンクグループ(株) といった 表記がある。

回生ブレーキ

モーターを停止させようとする際に、電磁石でのコイルからの電気量を調整して、ブレーキとして利用すると同時に電気の戻し(再利用)を行うもの。電車以外に、エレベーターやハイブリッドカーで利用されている。英語では、regenerative brake。

外注

外部への発注で、ソフトウェア開発の場合は開発などの委託のこと。建設などでの下請けや孫請けに該当する。ただしソフトウェア開発では最近は使用を避け、「協力会社」や「パートナー(さん)」と呼ぶケースが増えている。用語として”外注管理”→”調達管理”に置き換えるケースもあるが、”調達管理”自体に物に関するイメージがあるため”調達管理”への置き換えまで行うのは会社や部署によるようである。

外販

自社用に開発したもの(主に業務システム等)を、他社向けにも売ること。

掛け算

和算用語。 掛け算は足し算よりも速く数字が大きくなるので「走る」の意味で駈ける、に由来するという説は誤り。 掛け算は足し算を繰り返す処理をするが、繰り返しを行っている間を「仕掛かり」といい、そこから仕掛かり算と呼び、「掛け算」と呼ぶようになった。

掛けるN(エヌ)

金額などを表す場合に、単価に対して単純に数量が増えそう/減りそうな場合に使用される。例えば、概算見積のやり取りの場面で台数が不定の場合、単品の価格だけを提示し「ここは、掛けるN(エヌ)になるだけです。」といった使い方をする。

固まる

ソフトウェアでハングアップすること。”だんまり”と言う場合もある。

固める

ソフトウェアをROM化することによく使われる。なお、一般的な意味で、多くを占める場合や、仕様をFixする意味でも使われる。前者だと、”ハードウェアで固める”といった表現である。またアーカイブして1つのファイルにまとめることを言う場合もある。

金物

ハードウェアのこと。

紙芝居

システムのデモを行うとき、実際にシステムは動作していないにもかかわらず、あたかもシステムが動作しているがの如く画面のみ順次遷移させてデモをすること。システムが未完成、デモ時の失敗のリスクを減じるときに用いる。

かぶり

鉄筋コンクリートで鉄筋からコンクリート表面までの厚さのこと。(建設工事全般で用いられる。)

壁打ち

本来は、スポーツのテニスなどの練習で壁に向って1人で練習する様の用語。ビジネスの局面で、返事はいらないが誰かに話を聞いてもらう事を指すようになった。愚痴のような局面もあるが、話しているうちに考えを深める手法としても用いられる。

干渉

物理的な意味で用いる場合以外に、機構関連で部品がぶつかることを言う。CADを用いて設計する場合には、CADシステムの干渉チェック機能を利用して、動作を含めて部品がぶつからないかを机上で事前チェックしたりする。

完成図書

建築等の工事の完成時に納品するドキュメント一式。役所での土木・建築や電気設備での工事の際に納められる事が多く、契約書~完成図までさまざまなものが含まれる。なお、ドキュメント種はその工事で異なることが多いし、設計図などの訂正で済ますことが出来る場合もあるらしい。民間の設置などの工事やシステム開発でも、納める事が少なくない。

缶詰

同じ位置に留まること。

カンバン

トヨタでのジャストインタイム生産システムで用いられる指示票。商品名・品番・保管場所などが記載され、生産管理用や納入管理用などの種類がある。

トヨタグループでは平仮名「かんばん」と表記、欧語でkanban、中国語で「看板」(ピンイン)と表記する。

看板

かんばんとも言う。関数仕様書(ソフトウェア開発、関数1つ1つの仕様について書いたドキュメント)のこと。

きのこ

非常停止ボタンが、きのこの形状に似ていることから別名として用いられる。

基準と規準

基準は判断などの拠り所となる物や数値である。基本的に数値で表現される。規準は何かを行う際に手本や標準とすべきもの。同じ読み方のため、監査などでは、前者を基準(”standard”)、後者を規準(”cri teria”)と呼び換えることがある。

キムワイプ

油や汚れをとるための紙製のシートで、細かな繊維くず(紙くず)が出にくいため化学研究室の器具清掃に使われることが多い。電気電子の実験室や関連する工場などでも広く使われている。日本製紙クレシアの販売。

強電と弱電

強電は電気工学(Electric)の範囲、弱電は電子工学(Electron)の範囲とされることが多い。大きな電流を使う電気機械、モーターや電熱を利用した家庭用の電気器具が強電。テレビ・ラジオ・パソコンなどが弱電である。また国家資格では、電気主任技術者(いわゆる電験)や電気工事士などが強電を扱うとされる。詳しくは用語解説_強電と弱電を参照のこと。

業務委託契約

ある業務を委託する契約の名称を指すが、しばしば誤解を生む場合がある。委託業務は、企画や監査であったり、要件定義、システム構築、運用、保守であったりと様々である。 また、委託形態は、準委任、請負、その混合形態をとる。しかし「業務委託契約」は、業種業界や企業間で意味合いが違っている事がある。(常識の偏り) その結果委託側と受託側で準委任、請負の前提に齟齬を生じたり、保守と運用(オペレーションサービス)とを取り違えるなど引き起こす。 契約の内容をよく把握する必要がある。

切戻し

システムの更新時等、旧システムから新システムに切り替えるとき、何らかの不具合が新システムに生じたため、切り替え途中で旧システムに戻すこと。

キンク

電線やワイヤーがねじれてしまうこと。(電気工事全般で用いられる。)

元々は英語のkinkから来ており、糸などの、よじれや瘤のこと。

銀の弾丸

西洋の言い伝えで狼男などを退治できたことから、ソフトウェア工学では万能のツールや技法を指す。フレデリック・ブルックスによる"No Silver Bullet(銀の弾丸など無い)"というフレーズが有名。ウィキペディアの「銀の弾丸」も参考のこと。

また銀は、古代ギリシアにおいて金に勝る優れた金属であった。毒物と化合して黄変または黒変するため、神秘の力が宿っているとされた。そこから魔除けの象徴となった。「銀の弾丸」は司教が祈りを捧げた銀製の十字架を鋳溶かして作った物で、魔女、吸血鬼、狼男に対抗する力があると信じられた。このことから、技術分野に於いても究極の解決策を指す比喩に使われるようになった。

空中在庫

くうちゅうざいこ。在庫のうち、本店から店に送付した販売商品のことである。 例えば店舗間移動をする店では、A店から発送し、B店にまだついていない商品も空中在庫と言う。 また、本店在庫にも各店舗の在庫には出こないため、会社全体の在庫としては扱う必要ある。 棚卸では、空中在庫を加味しないと、会社全体の在庫量が不明となるため。(アパレル業界で使用されている。)

クエンチ

quench。超伝導状態が破れた時のこと。高温超伝導体は不良導体になる場合があり、飛躍的に電気抵抗が増えて膨大な熱が発生する。熱はそれまで超伝導体を冷却していた液化ヘリウムを沸騰させてしまい、MRIやNMRなどの核磁気共鳴装置で起こりうる事故の1つになる。例えば、超伝導のコイル間の隙間が磁力などで微動して熱を発生するなどである。

口を開けて待つ

状態遷移上、受信待ち状態にあること。

クミコマー

組込ソフトの技術者のこと。英語でerを付けて人を表す”組込みer”に由来している。(どちらかというと、若い世代で多少広まっていると思える。)

クレンジング

情報分野では、データベースの整理を言う。旧形式から新形式への変換や、誤りや重複の修正や削除なども含め事が多い。重複の削除は「名寄せ」と呼ばれる。新形式への変換を行いデータマイニングへ活用する事例があったり、クレンジングサービスを行う会社がある。

組込み

くみこみ。「組込」でも「組み込み」でもなく、”み”のみに送りがなを使用する。組込みソフトウェアでは常用され、他を誤記との扱いにする時もある。

クンロク、イックニ

伝送速度の9600bps、19200bpsを表す。(イックニは、イックニィと言う場合もある。)

経審

経営事項審査のことで、日本の建設業での公共工事入札に参加する建設業者の経営状況などのを数値化した、建設業法に規定する審査。過去の完成工事高評点や、建設業専門の経理資格「建設業計理士」の有資格者がいれば加点されるなど多岐の項目がある。

ゲジゲジ

PIN数の多いDIP型LSIのこと以外に、電気工事関係では鉄板に非定格の丸孔(バカ孔)等を開けた場合の配線養生のための自在ブッシングを指す。

ちなみに、定格の丸孔にはめるゴム製のブッシングは、その形状から肛門ブッシング(または単に肛門)と呼ばれることがある。

なお、ブッシングは、ブッシュと言われること事もある。

下駄をはかせる

・バイアスを掛けること。

・試作品や障害切り分けとして、ICやCPUソケットを重ねる時にも使用すること。

・ICEのプローグ直結のソケットを、保護するためにソケットを重ねて装着すること。

下代

げだい。仕入れ値のことを言う。(アパレル業界で使用されている。)

減災

「防」の字をあてて災害での被害を出さないことの印象を受ける「防災」に対して、ある程度の被害を認めたうえで被害を低「減」させることを強調する考え。使いだした人や年代は不確かなようである。ちなみに、日本技術士会では「減災と技術」という教材図書を2005年に発刊している。

剣山

集積回路(IC)のパッケージ形状の名称の一つ。ICの底面に多数のピン状端子を格子状に配置したものが剣山に似ていることからこのように呼ばれている。

ゲンチョウ

現地調整のこと。FAシステムや生産システムなどのシステム導入先(つまり現地)で行う調整作業のこと。システムテストを含む場合もある。

ご安全に

作業開始などの挨拶として利用された呼びかけ。住友金属があいさつ運動としてスタートし、鉄鋼業界や発電所などで使われていた。ただし、発祥が住金以外かもしれないとの声はある。また製造業などでも使われていたとの声もある。2017年の朝の連続ドラマ「ひよっこ」では、トランジスタラジオ工場で使われているシーンが何度が登場した。尚、現在は工事現場での朝礼の終了時の号令としても使用されている。

号口

トヨタでの量産のロット。実際は、2号口などのように何番目のロットなのかを示す。量産のための試作を”号試(号口試作)”と呼ぶ。トヨタのホームページでの検索でも表示されるし、出版物(「トヨタ語の事典」)にも記載されている。

構内契約

開発センターや工場内(構内)で、委託された作業を行う場合に締結される契約。守秘義務や安全衛生に関するものが少なくない。なお、作業形態としての請負契約/派遣契約/準委任契約と、結びついているわけではない。つまり請負契約であれば、構内での作業といえども(格段の定めをしていなければ)直接の作業指示は出来ない。 なお、「常駐契約」など、企業によって呼称が異なる。

合理的に予見可能な誤使用

ISO/IEC Guide 51などで記述されている、供給者にとっては意図しない(間違った)操作方法や使用法。ただし、それらの使用法は考えられるもので、一般的にリスクアセスメントで考慮すべきとしている。例えば、大人用向けの製品を子供が操作するケース。

故障

「システム障害」のことを指す場合がある。(障害という単語を避けるために、日本IBMなどで。)

コールする

関数を呼ぶこと。(サブルーチン環境では一般的か?)

コンコルドの誤り

イギリスとフランスの共同開発による超音速旅客機「コンコルド」の商業的失敗を由来とする、ある対象への金銭や時間的投資をしつづけることが損失になるとわかっているにも関わらず投資をやめられない状態を指す。コンコルド効果、コンコルドの誤謬、コンコルド錯誤ともいう。

日本の高校の国語教科書では、長谷川眞理子 「科学の目 科学のこころ」(岩波書店)での”コンコルドの誤り”が掲載されたものがある。

在席

荷が在ること。在荷(ざいか)と言う場合もある。

昨残

昨シーズンの売れ残り在庫のこと。(アパレル業界で使用されている。)

逆茂木

さかもぎ。本来は茨(いばら)のある生け垣のことであるが、理工系の文章として「逆茂木文は避ける」とか「逆茂木型の文は良くない」との表現で用いる。逆茂木文は、結論が後の方にある文。

先細

さきぼそ。ラジオペンチのこと。

サチる

波形や信号が、飽和すること。saturationからきているものと思われる。またクリップするとか、クリッピングする等も、かつて言われていた。

殺虫剤のパラドックス

ソフトウェアテストでの用語。 テストを同じ方法や値で繰り返すと、その値以外などでのバグが見つからなくなること。

さらかん

監理のこと。 建築士法第2条で、「工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書の通りに実施されていないかを確認することをいう」とある。 建築士法第18条 建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書の通りに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に注意を与え、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない

サンスケ

三角スケールのことを言う。三角スケールは製図の際に用いられる縮尺定規の一種で、三つの面に1/100や1/600など計6種類の縮尺の異なる目盛りが刻まれている。長さ15cmのものを「コサンスケ」と略称することがある。CADによる製図が普及して、三角スケールの利用を目にする事が減ってきている。

支承

ししょう。橋梁で、上部構造と下部構造(橋台や橋脚)の間に設置する部材のこと。沓(くつ)やシュー(shoe)とも呼ばれ、ピンやゴムより成る。橋梁では重要な部分で、一般社団法人「日本支承協会」がある。

ジッター

時間軸方向での信号波形の揺らぎや、その揺らぎによって生じる映像などの乱れを指す。波形モニターでは、左右にぶれるように見える。語源はjitterで、いらいらするとか神経質であるという意味。

シフト

交代勤務のこと。勤務が一定の時間(9時から17時とか)ではなく、週あるいは日により、交替で勤務時間がずれる形態である。体調管理が難しい。 例えば「早番、遅番」があり、8時30分~17時まで、16時30分~21時のような2交替勤務のどちらかを日や週によって、1人が移動する。 また、電気電子業界ではシフトレジスタや、ビットのシフトにも使用されている。

ジャブコン

コンクリートポンプ車の管の閉塞を防ぐために、極端に水を増したコンクリートのこと。実際の工事で使用して強度が脆い物を指す場合にも用いられる。(「シャブコン」という言い方もあるし、「ジャブコン」よりもそちらを用いることが多いとの意見もあり。)

照査

しょうさ。設計業務での、設計ミスがないかのチェックや調査。特に公共事業で用いられる用語で、受注側だけではなく発注側も照査結果やその手順を確認する方向への見直しが言われている。

小数点

整数と小数の位との境を表す記号。日本や英語圏では、ピリオドを使用する。例 3.14。非英語圏では、”カンマ”を利用する国がある。例 3,14。特に注意すべきは、フランスとドイツ。また、それらの国では1000単位での位取りに、ブランクやピリオドを使うためにさらに注意が必要である。ウィキペディアの「小数点」を参考のこと。

食缶

しょっかん。調理済みの料理を保温しながら運搬するための容器。

収束

電気機器メーカーなどの、生産中止のこと。生産収束などと使用されている。

収束時間

特に通信分野では、ネットワークでの障害発生時や新しい機器の接続時から、ルーターにその情報が行き渡り、(障害発生部を除いて)再びネットワークが安定するまでの時間をいう。

上代

じょうだい。売値、販売価格のことを言う。また上代売上とは、顧客から受け取ったお金のことを言う。(アパレル業界で使用されている。)

商標

商品や役務(サービス)の出所を認識可能とするために使用される標識。知的財産権の一つである。公の文書の場合には商標の旨を記載する必要があるが、普段の生活で普通名詞的に用いているものも少なくないので注意が必要である。例えば、ウィンドサーフィン、ウォシュレット、ラジコンなど。なお「デジカメ 」のように、商標権者が一般名称として使用することを認めているものもある。

シンクロ

シンクロスコープ。オシロスコープをこう呼ぶ場合もある。

縮退

情報関連では、機能低下させながらもシステム全体を動作させることを指す。特に(システムは動いているが)HDやRAIDが機能低下していることを言うこともある。物理学の量子論で、エネルギーと状態に関する用語としての「縮退」もある。

スクエア

スケとも言う。電線の断面積のこと。VVF-35m㎡は、VVF-35□と書いたり、VVF35スケと呼んだりする。ここで㎡は(ユニコード:U+33A1)で、□は四角(JISコード:0x2222)である。(電気工事全般で用いられる。)

ストレートコンバージョン

レガシーマイグレーションの際に、新規開発することなく旧来のロジックをそのまま利用して対応する方法。企業によっては、そのままの利用をロジックではなくソースコードそのものも変更しない(旧ソースを直接利用)対応方法を指す場合もある。(バージョンアップも、ストレートコンバージョンとする企業もあるとのこと。)

スクレーパー

scraper。表面仕上げのために、へら状の刃に柄を付けた工具や機器のこと。複写機やレーザープリンターで、感光ドラムから不要となったトナーの剥離を行う機構部分も、スクレーパーと呼ぶ。インターネットでの情報抽出を行うウェブスクレイパーという用語もある。

スニペット

snippet。「断片」という意味で、よく使う短いプログラムコードを開発環境から呼び出す(コピーできる)機能や、呼び出されたコードの事を言う。ただし最近は、検索結果などでのWebページの要約文のことを指すケースが増えている。

スーパーゼネコン

清水建設、大成建設、鹿島建設、大林組、竹中工務店の大手ゼネコン5社のこと。省略して”スーパー”のみで表すことがある。建設工事全般で用いられる。なおそれに似せて、NTT系列や国内大手ITベンダー(日立、NEC、富士通)、IBMなどの外資系ITベンダーを、ITゼネコンと呼ぶ場合がある。

線表

ガントチャートのこと。工程管理用の表として、”線表を引く”などと用いる。なお、用語として「線表」を使っている企業は、NTTなど少なくないとのこと。また、ガントチャートのことを「ガンチャ」と呼ぶところもあるとのこと。

ソースマーキング

JANコード、ITFコードなどの商品情報が、あらかじめダンボールなどのケースにバーコードとして印字しているもの。

善管注意義務

受任した仕事は、受託業務の主旨に従って善良な管理者の注意を以て業務を遂行しなければならない。それは、受託対価にかかわらず、また無報酬あるいは、契約書上に記載が無くとも発生する。(民644 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う) 「善良な管理者の注意」とは、背任や悪意に基づかず、主たる業務の遂行者として取り組むことを指し、その状態において管理監督者、個人であれば本人が業務の管理者として果たすべき注意内容を表す。 その程度は、業務にあたる平均的な者(専門家)として期待される常識的な事を指す。したがって、情報処理ではソフトウェアの効率性の追求やテストの網羅性のような内容の事までは含まれない。 違反となる行為の具体例としては、怠惰や著しい知識不足で作業が遅れる、貸与品を他の目的に使用する、製品を不用意に扱って傷を付ける、書類を管理せず紛失あるいは破損する、必要な報告書を作成しない、虚偽の報告をする等がある。

ダイバーシティ

・複数のアンテナで信号を受信し、電波状況のもっとも良いアンテナの信号を優先選択するか、受信した信号をいくつか合成して受信の品質を高める技術。

・多様性空間 多様性存続

・2005年頃から多様な人格、形質を尊重し社会の中で活用する運動を指すようになった。女性の社会進出、障がい者の雇用促進、男女の育児休暇といった労働形態の多様化が多くの企業内で取り組まれている。

たけかん

管理のこと。施工管理、現場管理。 予定した工程通りに工事が進んでいるかをチェックし、遅れを発見したときは、適切な対応策を取る。

たたく

APIをたたく(ソフトウェア開発)こと、またレジスタをたたく(ソフトウェア開発の中でもちょっとハード寄り?)にも用いられる。草案のことを叩き台と言う場合もある。

脱調

ステッピングモーター(パルスモーター)は、過負荷や急な速度変化の際に、入力パルス信号とモータ回転との同期が失われ異常音を発し停止する事がある。この様な状態を、脱調と言う。

種まき

物流業界でアイテムを仕分けることを言う。(反対語:摘み取り、ピッキング)

垂れ流し

フロー制御無しの通信方式のこと。

ダルマ

電工ドライバーで短くグリップが丸い形のもの。また、電線同士をジョイントし圧着する金具をダルマ端子と言う。

単金

作業単価のこと。(NTT(電電公社)関連で用いられる。)

単純な仕組み

当時者のレベルによって、ピンからキリがあるので実は、単純でない場合が多々ある。

探針

全ての検査項目の中から幾つかをサンプリングして実施し、その検査結果から、統計的手法で残存バグ数を推定すること。元々は日立で開発された手法である。

治具

じぐ。加工や組み立てでの、補助的な器具の総称。英語の”jig”に由来する。ICE(In-Circuit Emulator)のようなソフトウェア開発でのツールを示す時もある。

力仕事

単純で機械的にプログラミングできるjobのこと。

千鳥

配線を1台づつ交互に点滅させるような配置や、人の導線を交互に配置するレイアウト。(電気工事全般で用いられる。)

チャたる

チャタリングのこと。

チューブラコンデンサ

コンデンサの両端に、リード線が出ているタイプを言う。特に電解コンデンサのそれを呼ぶことが多い。 なお由来は、形態の管状(tubular)からであるが、日本語でのチューブラリンにマッチしているところに妙がある。そのためやラジアル型(片方に2つのリード線が出ているタイプ)のコンデンサと明示的に区別するために、日本では長く使われていると考えられる。

(ちなみに日本ではチューブラ抵抗という言葉は使用しないが、海外では”tubular resistor”と書かれた製品は少なくないようである。)

チョン付け

暫定的な半田付け(仮付け)のこと。(「ちょん」は、文とかにつける小さな点のこと。ちょぼとも言う。)

チョンボ

過失による失敗のこと。(元々は麻雀用語で、中国語の錯和(ツァホウ:間違ったあがり)または冲和(チョンフォウ:虚しいあがり)から来ているとされる。)

チンチンになる

さわれないほど、熱くなること。

ツイスト

ツイストペア線のこと。

摘み取り

物流業界でアイテムをピッキングすることを言う。(反対語:種まき、アソート)

吊る

プルアップすること。

ディスコン

discontinuedの略で、製造中止、販売中止やサービス中止などを表す。

デグる

デグレード、degrade。ソースコードを修正することで、修正ミスにより新しいバグが発生したり、今までに発生しなかった障害が顕在化すること。

デコデコ

DC-DCコンバータのこと。

デスマーチ

death march(死の行進)。残業が多く、極度の過労により体調不良者や精神疾患者が出るほど、労働条件が過酷なプロジェクト。

手動

てどう。環境の悪い現場では、手動と自動を間違えて伝わる可能性がある為、手動はテドウと発する。

デフォルト

ユーザや外部のデータが入力されなかった場合に、プログラム等が予め用意しておく値や処理。金融関係では債務不履行、スポーツ関係では棄権を指す。

デポ

Depot。小規模の配送拠点、または商品の一時保管所としても使用されている。

テレコ

入れ違いや入れ替え。AとBを、本来A-C および B-Dとつなげるべきところを、A-D および B-Cとつなげること。「テレコにする」(入れ替える)のように用いる。由来は、歌舞伎で二つの異なる筋を関連を持たせて一まとめにし交互に展開させる事を「てれこ」と言った事による。またテープレコーダーの略称でもある。

同件見直し

プログラムに不良が発生し、その原因が判明した時に、類似の原因により発生する不良が他の箇所に無いかをチェックすること。日立で用いられている用語らしい。

トウミリ

10mmのこと。

ドグ

フォトセンサの光を遮断してセンサを動作させる板のこと。

トクサイ

特採(特別採用)のこと。部品などが設計目標値を満足しなくても、出荷すること。ユーザーと正式書面で、その旨を述べるケースも含まれる。2017年の品質データの偽装報道の際に、度々メディアに登場した。

ドッグイヤ

dog ear。コピー機、プリンタの紙送り機構で、紙の角が折れて、犬の耳のような形状になる障害。 2000年頃、テレビニュースで盛んにドッグイヤーという言葉が使用されていた時に、社内でドッグイヤを使っていた某社の社員は、ニュースの意味がわからなかったとか。

ドッグイヤー

dog year。技術の進歩が早い様を、犬の寿命に例えた言い方。尚、ドッグイヤーとドッグイヤは、異なる意味を持つ。

ドブ

溶融亜鉛メッキのこと。(建設工事全般で用いられる。)

トヨタカレンダー

トヨタ(グループ)におけるカレンダーで、国民の祝日を出勤日にして、土日休日を徹底するもの。工場の生産をコンスタントにする目的で、祝日分の休みは夏休み等によりまとめて設定する。同様に他の企業でも、企業独自のカレンダーにしているケースはあるようだ。

虎チョッキ

光反射する縞模様付のチョッキのこと。主に、交通が往来する道路や滑走路の作業者が安全確保のために着用する。LEDを用いた自照式もある。

トラッカー

業務上の律速や問題を調査、収集して分析し課題の解決を図る新しい職種。 組織間にまたがる問題を扱う事があるため、特定の組織に所属しない事が望ましい。

トラッキングとモニタリング

日本語ではどちらも区別されず監視測定と訳される事がある。モニタリングは追体験し記録すること、トラッキングは追跡し記録することを指す。またトラッキングは、搬送装置の移動に同期して情報も移動していく事。

ドラフト

下書きとか叩き台のこと。

ドラム

コードリールのこと。建築や土木工事などで、電気を延長するために用いる。電気ドラム、電工ドラム、太鼓とも称し、これらはその形状に由来していると思われる。

取り合い

資源の競合等を言う。また分担の線引きの意味でも使用する場合がある。「取り合いを決める」のように使用する。

取水槽

主水槽と呼び分けるために、あえて「とりみずそう」と呼んでいる。(電気工事全般で用いられる。)

トレンチ

地下に掘った溝のことで、電源ケーブルなどを通す。なお、軍事用語としては”塹壕”の事を指し、そこでの服装として「トレンチコート」が生まれた。

天井裏などに電源ケーブルなどを通す場合は”トレー形ケーブルラック”や”はしご形ケーブルラック”を用いるが、後者は”ラダー”と呼ぶことがある。

ナルハヤで

「なるべく早くお願いします」の略だが、「なるべく早く」は上から目線になり易いので少し引いた感じでお願いする際に略して言う場合がある。

流れもの

リピート品のこと。(反対語:一発もの)

ニワトリとブタ

ソフトウェア開発のアジャイル(の特にスクラム)で用いられる逸話。ニワトリがブタに「ハム・エッグ」のレストランを開こうと誘い、ブタが「僕は止めておくよ。君は産むだけだけど、僕は切り刻まれるんだよ」と言ったというもの。ブタは実際の作業を行うチームメンバー、ニワトリは経営者・管理職あるいはユーザーを意味する。書籍「アジャイルソフトウェア開発スクラム」参照や、”ニワトリとブタ”でネット検索のこと。

人工

にんく。ある仕事に要する作業量を、作業員一人の労働量を基礎に算出したもの。仕事に必要な延べ人数。土木建築やソフトウェア開発関係の見積り時に使用している。 例えば、5名で3か月掛かって、1か月の実働日数を20日とした場合、300人工と言う。(または、15人月と言う)

ネコ

手押し一輪車のこと。(建設工事全般で用いられる。)

ちなみにネコでコンクリートを流し込み事を”ネコ打ち”と言う。

年号問題

コンピュータの時間計測制御に関するオーバーフローにより誤認識を起こす可能性がある問題。2000年問題、2036年問題(NTPの2000年問題とも言う)、2038年問題等が知られている。

法面

のりめん。土木工事で、元の地盤に対して、土を削ったり土を盛ったりした面を言う。関連した、法肩(のりかた)、法尻(のりじり)という用語も利用される。詳しくは用語解説_法面を参照のこと。

バーター取引

元々、物々交換のことであるが、自社の商品を買ってもらう代わりに、相手の商品も買ってあげることに用いる。

はい替え

物流業界で荷物を別の場所に移動することを言う。(横移動とも言う。)

拝承

はいしょう。承知することを、へりくだっていう言葉。日立グループでは、今でも使われているらしい。またメール等を受け取ったときの返信言葉として使用されている。

拝受,お手数多謝。

「拝承+感謝」の言葉だが、心が籠ってない、通り一遍の挨拶のように感じる人も多い。

排他

ソフトウェアでは「排他制御」のことを指し、複数のユーザーやプロセスが、同時にファイルへのアクセスや処理を行わないようにすること。ハードウェアを含めたさまざまな実現方法がある。また、同時の読み書きは不可とするが同時読み込みは可とするとか、特定データ部分のみを排他にするようにして全体効率を確保する工夫などが行われる。

バカ孔

特に精密な寸法は不要で、通線孔等で使用するようなアバウトな孔の事を言う。またバカ穴と記載する場合もある。

パスコン

電源ラインとGND間に入れるバイパスコンデンサを言う。

パズワード Buzzword 

パスワード(Password)と間違いやすいが、あまり意味の無い決まり文句や言い回しを言う。そこからローカルな造語や、もともと専門用語であったが流行語となって意味が変わってしまったもの等を指す。

パッカー ソフトウェア

実行ファイルやメール本文を、自己解凍型で圧縮するソフトウェア。ファイルのサイズダウンに有効。鍵付きバージョンでは、ファイルを授受するエンティティ間の簡易なセキュリティツールとして使われる。欠点は、マルウェア、ハッキングツールと区別できなくなり、アンチウイルスソフトによるパッキングされた内容の検出が困難になる事。

ハッシュタグ

hashtag。情報処理で番号記号/ハッシュ記号として用いられてきた「#」に単語をつなげることで、投稿文等の検索をしやすくしているメカニズム。2000年代後半からTwitter社が採用して広まり、ちょっとした文章での利用や文や写真の分類としても利用されるようになっている。「hash tag」ではなくhashtagとして1つの単語化し、2014年のオックスフォード英語辞典でもhashtagとして掲載された。

初音ミク

クリプトンから発売されている音声合成・デスクトップミュージック(DTM)ソフトウェアの製品名およびキャラクターとしての名称。ヤマハが開発した音声合成システム「VOCALOID2」を採用している。クリプトンがキャラクター画像についてほぼ自由な利用を認めていることで、歌声の他にキャラクターを用いた創作活動も全世界に広まった。ちなみに、情報処理学会の学会誌「情報処理」の2012年5月号はCGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)の特集で、その表紙にも使われ学会設立以来初めての売り切れを記録した。

はつる

コンクリートをハンマーなどで削り取ること。建設工事全般で用いられる。「斫る」と書き、名詞として”はつり”を使用する時もある。

バッファ

・データを一時的に蓄える方式のこと。

・電子回路では、ファンアウト(またはファンナウト)の数を増やすために用いる素子のこと。

・コミュニケーション等の連携において、中間に入る役目・立場のこと。

・プロジェクトでの日程とか予算や要員などで、予め余裕を持たせたり、緊急時対応として明示的に示すもの。プロジェクトに限らず、定常業務などでも設けるケースがある。大きすぎると問題も発生する

ハト小屋

屋上などに設置される、配管や電線などを屋上に展開させるスペースのこと。(建設工事全般で用いられる。)

バラす

解体したり、撤去したりすること。(建設工事全般で用いられる。)

バーンイン

burn in。機械や電子機器などの、出荷前に行われる稼動試験や使用開始前に行われる「慣らし運転」のこと。稼動試験では、不良品の識別にも利用される。

ハングアップ

システムがソフトウエアの不具合やノイズ、熱暴走等により機能が停止すること。 他にフリーズ等と称する場合がある。

パンくずリスト

パンくずナビ、パンくずナビゲーション、トピックパス、フットパスとも呼ばれる。英語では"breadcrumbs"、"breadcrumb navigation"。由来は、童話「ヘンゼルとグレーテル」での、道に迷わないように置いたパンくず。

見ているWebページを、サイトでの位置を分かりやすくしたもの。例えば、本ページでの上の方にある IT21の会Wiki / it21 / public / members_contents / glossary 。

番重(ばんじゅう)

主に食品業界で利用される、蓋のない薄型の容器。運搬で利用されることが多く、多段に重ねて用いられる。”ばんじゅう”とひらがな書きの場合も多く、食品用途以外の容器も呼ばれることが少なくない。

半二重

通信で、同時期に両方から通信可能な”全二重”と異なり、片方のみからの通信とする方法があるが、さらに一般的な、同時に発言出来ない場合にも用いる。

ノイズ波形のこと。(特に尖頭的な波形)。

人質になる

障害・不具合の原因を解決するまで現場で立ち会うこと。

一筆書き

一部(リモートI/Oの分野など)では、ネットワークの接続方式でのマルチドロップ式等を、一筆書きと表現する場合がある。

評定

建築業界では、技術基準に従って、建物などを性能評価すること。 また、写真測量の世界では、撮影された航空写真の地点と現実世界の場所とを結びつけるための地点を言う。

灯を入れる

灯は「ひ」と読み、電源を投入すること。

品質工学

技術や製品開発を効率的に行う開発技法で、考案者の田口玄一の名を冠したタグチメソッドのこと。目的機能を明確にし、制御因子を定め直行表を利用するなどが特徴である。自動車産業や複写機産業などでの利用が有名。

歩掛

ぶがかり。土木や測量で積算するするときに使う。 工事をするときの標準的な手間、あるいは必要な材料の単位。

ファームウエア

firmware。機器内に収められる、機器制御のためなどのプログラム。業界や人によっては、組込みシステム全体を言ったり、ドライバーソフトの事を言う場合もある。

語源も曖昧で、hard(金物)ほどは硬くないけどsoftほど軟らかくないという説や、FAのsoftが訛った説などがある。また、30年以上前までは、制御系のsoftwareはhardのおまけ的存在で、工数や料金の見積りに計上されないケースも散見された。

フットプリント

英語訳として、足跡、業績の意味であるが、コンピュータ機器などの設置面積の意味でも使われる。さらにIT業界では、メモリフットプリントとしてプログラムが動作する際のメモリー使用量を指す。

他に電子書籍では「フットプリント」を購入した販売店の刻印情報の用語として、「カーボンフットプリント」は製品が販売されるまでの温室効果ガス排出量を示す用語として使われるなど、複合化したものも含めて様々な分野で使用されている用語である。

プロトコル

情報関係では、ネットワーク上やプロセス間の通信の取り決めを指す。また薬品関係では、治験(薬事法上の承認を得るために行われる臨床試験)のための「治験実施計画書」を指す。一般的には、外交儀礼のことを言ったり、「規定」「議定書」「儀典」と訳されたりする。また、会話が噛み合わない場合に「プロトコルが合わない」と使うことがある。

プロパー

アパレル業界では、正規の価格で販売することを言う。また金融機関では、保証協会を使わず、銀行がリスクを取る融資のことを言う。 生え抜きの社員のことを言う場合もある。

弁当箱

組込みシステムなどを収納する筐体(シャーシ)の外見が弁当箱に似ていることから比喩として用いられる。

放棄呼率

Abandon Rate。コールセンターでオペレータとつながる前に、顧客がもしくはシステムが切断する事を放棄呼/あふれ呼と呼ぶが、その割合。放棄率や一部では「アバンダン率」としているところがある。

暴走

IT関連で、ノイズやバグ等で、挙動不審な振る舞いに陥ることを言う。特に熱による温度上昇の暴走を熱暴走と言う。

ポンチ絵

漫画とも言う。概略図。構想図。製図の下書きの際に作成する図や絵を言う。

マウントをとる

マウントとは、格闘技において相手に馬乗り状態になる「マウントポジション」が由来であるが、会議などで自分の優位性を周囲に示そうとする行為。 特にブレインストーミングなどでは障害となる場合がある。

マタ―

matter。責任者とかキーマン、責任所在の部署などを指す。「それは○○さんマターだ」といった言い方。「no matter」で、たいした問題じゃないという意味で使う時もある。

マテハン

マテリアル・ ハンドリングの略称。機械による作業のこと。マテハン機器として、クレーン、フォークリフト、コンベヤなどがある。

ムカデ返し

回路変更でICの追加が必要で基板の予備部分がない時に、従来のICの上に追加ICを裏返しに貼り付けて置き、追加ICと該当箇所をジャンパー配線する方法。その姿から、ムカデ返しと言う。

メイクする

make。ソースプログラムをコンパイル等によって実行可能な形式に変換すること。(※UNIX系では、"make"というコマンドを用いることが多いことから良く使われる。) また、コーディングのことをメーキングと言う場合もある。

メガー

絶縁抵抗測定計、電気の基本的な試験で”メガーかける”や”メガー良かった”などと使われる。(電気工事全般で用いられる。)

メタクラ

配電設備の分電や遮断の設備。各機能毎に金属箱に収められた状態のものを言ったり、配電盤そのものを指す場合がある。英語のmetal cladから来ている。

目途

もくと。文字通り目途のこと。(NTT(電電公社)関連で用いられる。)

もぐら叩き

アーケードゲーム等で、いくつかの穴から出入りするモグラの人形を、ハンマーで叩いて得点を競うゲーム。そこから、抜本的ではない対症療法的な対策を繰り返して行い、なかなか解決しない状況を述べることに使われる。

モニター

OSより簡単な管理ソフトのことやディスプレイ(表示装置)のこと、監視機能などを持った機器や機能のこと。

盛り土

盛土とも。宅地造成等で、土などを盛って斜面を平らにしたり、周囲より高くしたりするこという。「用語解説_法面」を参考のこと。2021年、静岡県熱海市の土石流災害時での原因として、話題となった。

山留め

やまどめ。地盤を掘削する際に、周辺地盤が崩れないよう設置する構造物で、鋼材を地中へ打ち込み、その間に横板を挿し込む工法などがある。土留め(どどめ・つちどめ)も、同じ意味である。2021年11月の、吉祥寺での地盤沈下事故の際に話題となった。

指差確認

安全確認などの目的で、指差を行い、その名称と状態を声に出して確認することである。車掌などが「出発進行!」と喚呼して、信号機を指差す場合が典型である。一般的には「指さし確認」と呼ばれることもあるが、鉄道では指差喚呼(しさかんこ)、業界や部門等によって確認喚呼(かくにんかんこ)など様々な呼称がある。

養生

建築・土木分野では、工事したコンクリートやモルタルが乾くのを待つことをいう。予めスケジュール期間に含めておいたり、工期短縮のために乾燥を早める手法などが開発されている。また、塗装やデザイン分野では、仕上げ以外の部分に塗料が付かないようにすることをいう。

養生テープ

引っ越しなどでよく使われるポリエチレン繊維や布製のテープ。緑色のものが多く、手で切れやすく剥がしやすい。塗装や製図等で必要箇所以外を塗らないようにする”マスキングテープ”があり、マスキングテープを養生テープ呼ぶこともあるが、一般的には2つを区別していることが多い。

横移動

物流業界で荷物を別の場所に移動することを言う。(はい替えとも言う。)

横持ち

物流業界で寄り道すること。

予備半田

半田付けする前に、双方に半田を施しておくこと。

ラーメン

一般的にも技術者間でも、いわゆる中華麺とスープ主とした麺料理を指すが、ラーメン”構造”を意味する場合がある。ラーメン構造は、柱や梁という部材同士が剛接合された構造で、中高層の鉄筋コンクリートビルなどで広く使われている。(対比的には、トラス構造、壁式構造、ブレース構造などがある。)

ラダー図

回路と言ったりシーケンスと言ったりするが、PLCのプログラミング言語である。(リレー回路に類似する。)

利益相反

片方の利益になると同時に、他方へは不利益になる行為のこと。技術者倫理の実践およびケーススタディでは、企業内や企業グループ内のこともあるが、片方が会社でもう片方が一般市民のケースが課題になることが多い。一般市民が非常に限定的なケースもあって、公益性確保との兼ね合いが関係する。

リスケ 

リ・スケジュール(reschedule)のことで、計画スケジュールのたて直しや日程再調整を意味する。繰り返し発生する場合は、「またリスケか~」とボヤキの類で言われることも少なくない。なお、銀行等では、債務返済の繰り延べや返済条件の変更を指すとのこと。

リップシンク

lip synch、lip-synchingのこと。元々は、予め収録された楽曲に対して歌っているように見せること(口パク)のことであった。最近は画像/音声の圧縮や伸張及び伝送の関係で、画像と音声のタイミング合わせが課題となることが少なくない。そのため現場では、リップシンクを画像と音声が同期している/同期していないことを指す言葉として用いることが少なくない。

リモート

本来は遠隔での操作を指すが、2020年頃からはネット経由でのやり取りを指すことが多くなった。リモートワークやリモート会議での後半部を略した格好である。リモート会議ではビデオを主とするケースが多く、代表格はZoomとマイクロソフトTeamsと思われる。

リプレース

老朽化や故障したシステムのハードウェア、ソフトウェアなどを同等の機能を持った新しい別のものに置き換えること。

粒度

りゅうど。本来は、複数種の鉱物での粒子の大きさを表す。IT用語として、データや作業の構成要素の粗さを表すことがある。さらには、作業計画やドキュメント等において、おざっぱな部分と詳細部分の混在が酷い場合に「粒度が揃わなさすぎる」といった表現が使われる。

ローカル仕様

用語として一般的に確立していないが、(特に国内の)地方ごとの気象条件や風土などへの対応事項。システム物件の検討では注意を要する。

例えば、沿岸部での塩害対策。宇都宮などの北関東での雷対策。(今は新製品では皆無となったが)関東と関西の50HZ/60HZの電力周波数の違い。五十払い(5や10のつく日での決済。関西ではまだ習慣として残っている場合がある。)。体重計や体組成計での地域での重力補正。

路面店

表が通りに面した店のことを言う。

鰐口

ワニ口クリップ。電線の両端に取り付けて、端子の両端を、摘んで止めるクリップのこと。

笑う

電線の先端が広がってしまうこと。(電気工事全般で用いられる。)

*本用語集では、以下の表記ガイドに則って記述をしています。必要に応じて参照願います。

技術者として知っておくべき用語集・表記ガイド