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IT21の会 第260回(令和3年3月度)例会議事録

日時：2021年3月5日(金) 19:00-21:00
場所：オンライン開催(Zoom)
参加者：40名(講師含む)
配布資料：
  IT21-2103-0 CPD行事参加票
  IT21-2103-1 メインテーマ資料
「京都先端科学大学の教育とリチウムイオン電池材料開発におけるIT利用」

議事：
19:00-19:05 事務連絡、資料確認、初参加の方の自己紹介
19:05-20:50 メインテーマ講演、質疑応答
20:50-21:00 今後の予定
21:05-21:30 オンライン懇親会

概要：
1.会長挨拶、初参加の方の自己紹介
・会長挨拶
・初参加のご挨拶

2.メインテーマ講演
メインテーマタイトル： 「京都先端科学大学の教育とリチウムイオン電池材料開発におけるIT利用」
講師：京都先端科学大学 工学部 准教授 岸田逸平氏
(1)自己紹介
・経歴　材料の理論計算が専門
・技術情報のウェブ公開
・GridEngine運用
https://lab.kuas.ac.jp/~ippei94da/

(2)京都先端科学大学（KUAS）の紹介
・1969年 京都府亀岡市に開設
・2018年 理事長に永守重信就任
・2020年 工学部・工学研究科開設
・機械電気システム工学科（定員200名）
・世界でも珍しいモーターを専門とした工学教育
・英語による授業が特徴

(3)工学部開設とコロナ禍での大学教育
・対面授業できない→入学してすぐ「体験先行型の学び」の導入
・実践系初年次教育の遠隔授業
　・レゴマインドストームを活用したロボット構築
　・マイクロコントローラを活用したシステムの構築
　・Web/スマートフォンを活用したシステムの構築

(4)大学教育における IT 活用
・授業は Teams で開講
・LEGO、電子工作キットを使用
・Android プログラミング教育（ツール Android Studio）　GitHub環境利用
・遠隔授業支援ツール（sutori）
　・中国人教員が発案し、コンテンツを作成
　・動画による講義配信
　・外国人教員の速い英語　（低速再生可能、何度でも再生、字幕を設定できる）
　・欠点：コードの文字が潰れて読めない、コードのコピペ、マウス操作か分からない、動画作成に手間がかかりすぎる
・GitHub　学生に Git を教え、コード管理をさせた
・動画を用いた「反転授業」（先にオンライン授業面、次に対面授業の考え方）
  ・予習動画10分、クイズ、講義、試験（Wiley Plus）
・Wiley Plusを用いた教育と評価（電子テストによって教員の負担が減った）
・キャップストーンプロジェクト（企業の課題を、学生の課題に）
・YouTubeを用いたオープンキャンパス　（リアルタイム配信、パブリックビューイング）
　・カタパルトコンテストで３Ｄプリンタでカタパルトを作りコンテスト
 https://www.kuas.ac.jp/admissions/about/faculty/engineering/Department-of-Mechanical-and-Electrical-System-Engineering/catapult-contest

・フェイスシールドプロジェクト　大阪大学発信のフェイスシールドプロジェクト参加
・コミュニケーション
以下の項目に関しては時間切れとなったので、また機会があればということで講義はなかった。
・研究におけるIT活用

3.質疑応答及び意見など
なお質問は講義中にチャットで受け付けていたので、その場で返事できたのは口頭で返事されたが、質問が多くて時間内に終わらない部分は、講師が参考に意見として読んでおくという形になった。

◆遠隔動画授業に対して
Ｑ：VRを使い、先生も学生も仮想空間の教室で講義する。メリットは遠隔で実施できる。デメリットは教室とは理解が異なる、受け止めが異なる。
Ｑ：画面に対する文字の大きさが心配。
Ｑ：落ちこぼれが生まれないか？
Ｑ：コードのオペレーションと意味内容が同時に伝わるか疑問。
Ａ：その通り。参考になる。
Ｑ：学生に必要な機器を各自に渡すか買わせる。
Ｑ：WEBカメラを支給し、手先の作業を教師が観察できるようにする。
Ａ：動画を教育用途に使う件に関して、向いている向いていない部分を分けて使うべき。WEBカメラ案はいいと思う。また必要な機材を大学から学生に郵送している。

◆授業を英語で行う事に対して
Ｑ：社会人になって、エンジニアは自分の専門分野の英語文献を読めるようになるが、ヒアリングは実践しかないので、若い人にヒアリングから英語文献に入ることは非常に有益だと思う。

◆動画によるプログラム教育授業について
Ｑ：コードのオペレーションと意味内容が同時に伝わるか疑問。
Ｑ：ターゲットと道筋がわかっているならよいが、そうでないと細かい点に目が向いてしまいそう。
Ｑ：学生の反応がわかりづらい。
Ｑ：録画であれば見返しをできるのは便利だが、他の受講生の反応が見えないのが先生も学生もきついと思う。
Ｑ：プログラミングの授業だと1～2割は適性のない学生がいる。そこをどうフォローするか？
Ｑ：字幕があるので文章は分かるけれど、視線が字幕に向かうので操作内容に集中できない。
Ｑ：メリットは、繰り返し見れる事と、デメリットは脇道にそれて試すことが難しい事。
Ｑ：動画だと、ちょっと待ってが出来ないので置いて行かれそう。
Ｑ：カンニングしてでもベストのソリューションを導き出せることが重要では？
Ａ：プログラム作成にはPDFなどの静的資料が最適。学生は小さな画面のPCしか持っていないと考慮すべき。

◆GitHubのメリット、デメリットに対して
Ｑ：プログラミングだけでなく、機器のコンフィグのバージョン管理でも使いだしているので、ぜひプルリク運用出来る状態にしてもらいたい。
Ｑ：メリットは同じソースを共有して作業できる反面、競合が発生して作業待ちの学生が出てくる。
Ｑ：誰がそのコード（部分）を作成したかが、SNS的にさかのぼれるので、こういう実装ができる人を探すのが容易になるが、Git管理をチームに持ち込むには、指導者的な人が必要になる。
Ｑ：大学がサーバを建てずにすむ。経費節減のメリット。反面、コピペ対策が難しい、Gitに慣れないと誤操作が頻発するデメリット。
Ｑ：グローバルに活用できるスキルを身に付けることができる。
Ｑ：今は、無料プランでもorg＆プライベート運用できる。2020年4月から、無料プランが拡充された。
Ａ：学生はプログラムだけでも大変なのにGitHubの管理はパンクしそう。プライベート運用の意見は参考になる。

4.連絡事項
・4月例会は4/2(金）、18:30よりZOOMで開催予定
以上
(議事録担当 大槻貴史)