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                                第238回IT21の会2019年2月度例会議事録

日時；2019年2月1日（金）18:30-20:30
場所：東京ウイメンズプラザ第一会議室
参加者：51名（講師を含む）
配布資料：
　IT21-1902-0 CPD参加表
　IT21-1902-1 「IoTで創る未来」
議事
　18:30-18:40 事務連絡、会長挨拶、初参加の自己紹介
　18:40-20:10 メインテーマ講演「IoTで創る未来」
　20:10-20:20 質疑応答、今後の予定
概要
1. 事務連絡、会長挨拶、初参加の自己紹介
会長挨拶に続き、初参加の方３名から自己紹介を頂いた。
2. メインテーマ
2.1 テーマ：IoTで創る未来
2.2 講師：⾨⽥ 進⼀郎氏　ストラテジック アカウントマネージャー
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社　
2.3 概要
アマゾンのビジネスの成り立ち、AWSを使ったお客の事例などを紹介頂いた。
クラウドサービスは新しいサービス、スタートアップ系企業がよく使うビジネスモデル。最近は大企業が
スタートアップ企業のクラウドを使った新しい技術を使ってビジネスすることが増えてきている。

(1) IoTの利用シーン
工場やオフィスなどからゲートウェイを通ってクラウドにデータを蓄積していく場合や、最近は自動車や
スマートウォッチなど屋外でもクラウドにデータをためることが可能になっている。多様なデバイスがあ
り通信速度や通信量は予測不可能。このため、クラウドのようにスケーラブルなデータ蓄積基盤が必要か
つ有効だ。
(2) アマゾンでのIoT利用シーン例：アマゾンの倉庫
ロボットが荷物をヒトに持ってくる。人が通るスペースが不要なので効率的に荷物を保管できる。
人がピックアップする速度の５倍。他にレコメンドの機能やAmazon Echo（スマートスピーカー）、
ドローンなどもつくっている。これらは「荷物を早く届けたい、早く買ってほしい」という思いから。
AWSはこれらのサービスを法人のお客様にも貸し出すために始めたサービスだ。
(3) AmazonGo：アマゾンのレジなしストア
カメラ映像の画僧処理で商品のピックアップ、戻すをみている。一人のアカウントで複数人が入店しても
決済可能。複数人を追跡し一人のアカウントに紐づけている。AmazonはNet上での購買情報は持って
いる。加えてリアル店舗での消費行動も知りたい。何で迷ったかなど。無人化ではない。マーケティング
データの収集が目的だ。
(4) Amazonはテクノロジーカンパニー
新しい技術を作って、その技術を応用して、皆さんが楽しい環境を作り出す。そのために利益の多くを
技術開発投資にまわしている。株主もこの方針に納得している。お客様の満足度向上が一番の主眼。
そのために品揃えの増加や低価格化が必要。
低価格化のためにAIやロボットなどのテクノロジを使っている。
(5) ダッシュボタン：ボタンを押すだけで商品が届く。
エンタープライズでも使ってほしい。AWS IoTボタン。ボタン一発で何かができるビジネスに使いたい。
(6) Amazon Echo
もっと楽にするのがスピーカー。PCやスマホを立ち上げなくても、話しかけるだけで商品を注文でき
たら便利。ネットにつながってクラウドで処理するスピーカー。スキルを作って好きな処理ができる。
天気予報やニュースなどを聞くことができる。Echo Spotは画面付き。スケジュールなどは画面で見た
方が理解できる。自然言語を理解し処理するプラットフォーム（Alexa）を公開している。話す言葉を
集めたい。スピーカーだけでなく冷蔵庫や車などに組み込むことも可能。車は両手が使えないので声で
操作するのはReasonableな活用シーン。スキルは日本だけで2,000ほど。タクシー会社や銀行など。
仕組みは、スピーカーに話しかけた内容を外部のアプリケーションに通知する。アプリケーションが
処理してテキストで返ってきた情報をスピーカーで読み上げている。
(7) 家の電気のON/OFF
AWSにはスマホで家電を操作するサービスがある。
赤外線で家電をコントロールするデバイスを利用する。Alexaは音声を通じてこのデバイスを動かす。
TATERUでは、音声で家電を操作できるIoTマンションをつくっている。テレビ、照明、エアコンなど。
(8) Alexa for Business
ビジネスにも使う。現在北米で展開。例えば音声で会議室を予約する。
ホテルでの導入例。ホテルは客の情報をデータ化できる。必要なアメニティや好みの温度設定など。
いずれ日本にくる。Alexaを利用したビジネスモデルを考えてほしい。
(9) AWS
Amazonが持っているクラウドを貸し出すサービス。従量制１秒単位で課金。
セキュリティでは多くの第三者認証を取得済。日本では東京だけでなく大阪にもリージョンを作った。
米国ではCIAも使っている。毎日多くの機能・サービスが作られている。１日２，３個のペース。
お客が欲しいと思った機能はすでに作っている。サービスを毎年値下げしている。
多くのお客に使ってもらうため。コスト構造を見直して、安くできたら安くする。
(10) サービスの生み出し方
- サービスを作る前にニュースリリースを書く。サービスを具体的にイメージする。
- チーム構造はTwo-PizzaTeams。１０人以下。チームに完全に権限移譲する。
- マイクロサービスアーキテクチャ。チームとチームはAPIで会話する。人と人で会話しない。
- 日本はモノ リシック。機能の一部を変更すると別の機能にも変更が生じる。
(11) AWSで構築するIoTプラットフォーム
IoTはモノから上がってきたデータを分析してフィードバックする。
AWSは多くのサービスブロックを作っている。ビジネスシーンに応じてブロックを使い分けることが
できるようにしている。正しいブロックを使ってサービスを作る必要がある。
(12) お客の事例紹介
- あきんどスシロー：お皿のタグデータを全国で収集しよく売れるネタを予測する。
　データは持っていたがサーバ構築にコストがかかるため分析していなかった。
　クラウドを使えば試すことができる。失敗したらやめることも簡単にできる。
- 大阪ガス：クラウドで情報を共有する。
- Kii：ピザの自動販売機（北米）。機器の故障を素早く検知する。
- Impulse：機械学習を活用て機器の故障を予知し通知する。
- 旭鉄工：IoTボタンを工場につけた。ボタンで工場長を呼び出す仕組み。
　機器の操作をアレクサで指示。手が汚れていても機械を操作できる。
　会社でIT技術者を雇ってシステムを構築した。
- ファームノート、デザミス：牛の耳タグや首輪で食事データや行動をセンシング。
　異常パターンから病気になりやすい個体などを判別。
- 村田製作所：ヒトの密集具合をセンシングし分析。
- Willport：トラックに加速度センサを付けて運転情報をセンシング。
　いいドライバーを評価する仕組みを作った。
　宅配ロッカーの問題は電源。乾電池で動く宅配ロッカーをつくった。Amazon Payでの課金も可能。
- FLECT：自動車の位置を可視化。到着時間の予測。
- アプトポッド：高速でリアルタイムにデータ通信できる。データ欠損なし。
　ラスベガスと東京でロボットハンドの遠隔操作をデモ。
- AUCNET　IBS：車の写真から市場価格を判定する仕組みを構築。
　車のデータを持っているからできる。
- エコモット：カメラで雪の有無を判断してロードヒーティングをオンオフ。
- ABEJA：来店客の識別。性別と年齢。マーケティングに利用。
- 武蔵精密工業：画像から製品の不良品を判別。
- オートマギ：映像から荷物を識別。箱の大きさやワレモノ注意ラベルなど。
　鉄錆(サビ)を特定する画像識別技術。ドローンでサビをみつける。
　色だけでなくザラツキ感なども学習に利用。
- カメラで捜索中の人を見つけたら警官に教えるサービス（北米）。
　いままでの技術、サービスブロックを組み合わせるだけでできる。

AWSは学習のインフラ基盤、解析する技術をもっている。データはお客が用意し学習させる必要がある。
インフラ構築ではなくイノベーションに時間を使ってほしい。
機械学習（SageMaker）、エッジコンピューティング（Greengrass）なども提供している。

2.4 QA
Q1：CO2などの環境問題。配送回数や大きな箱はエコではないのでは。
A1：どこを効率化するかでエコの観点がかわってくる。配送ルートか、倉庫の入口まちか。
段ボールはそのとおり。段ボールのコストが上がっている。
持ち帰って再利用する仕組みがあるといいかもしれない。
Q2：Alexaの呼び出しの名前を変えられないか？
A2：特定の名前なら変えられる。起動するワードになっている。
Q3：シャオミの実力は？
A3：中国内では実力がある。国の制約なくチェレンジできるため。
　　データをたくさんもっている可能性がある。トイレのデータなども収集している。
Q4：マイクロサービスアーキテクチャの評価は？開発前の審査、やめるタイミングなど
A4：サービスを作るタイミングでは、ニュースリリースで響くかどうか。
　　プレビューカスタマーにローンチ前につかってもらい評価してもらうこともある。
　　お客と会話して１週間くらいでつくってくる。
Q5：社内の情報の流通の工夫は？
A5：隣のチームのことは知らない。自分の仕事をしっかりすればよい。
　　複数のチームで競合するサービスをつくっても問題ない。いい方が使われる。
Q6：従業員の変化は？
A6：社員はすごく増えている。AWSだけで３年で３倍程。
Q7：技術の輸出管理は？
A7：サービスは北米作っている。Amazon Echoなどは技適が必要なので時間がかかることもある。
Q8：アマゾンのビジネスモデルの図。両脇の矢印の意味は？
A8：サイクルを回してどんどん成長することをイメージしている。
Q9：日本のサービスは日本で開発するか？
A9：日本の市場に特化したサービスは日本で開発することもある。
Q10：お客がAWSでサービスを設計する場合に共通の表現方法はあるか。
A10：サービスブロックで表現する。最近は設計書をつくらない。
　書いているうちにサービスができあがる。アジャイルでためせばいい。
Q11：前職（NTT）から移って一番ショッキングなことは
A11：前職では社是があるが守っている人はいなかった。アマゾンは社是を結構守っている。
　14箇条にでてくる単語を普段の会話でよく使う。Frugality。質素倹約。社是にはいっている。
　金ではなく知恵を使えということ。

3. 今後の予定
３月：佐藤さんによる「海外通信・電気工事事情」を予定。
　アフリカのガボンから2月15日に帰国される予定。
　海外工事の着工前〜着工〜竣工までエピソードを交えて一連の流れを交えて話してもらう予定。
　また、亀高さんから「テレビドラマの時代考証にモノ申す。〜電話文化の継承の難しさ〜」の予定。
４月：４名x25分の予定。加納(幸博)様、河内(康)様、桔梗様他１名募集中
５月：総会を予定。スマホを用いた役員投票の仕組みを検討中と説明。

以上
（議事録作成：吉田善貴さん）