it21​/public​/proceedings​/201712

日時：2017年12月8日（金）18:30～20:30

IT21の会（平成29年12月）第225回議事録
場所：日本技術士会 葺手第二ビル 5階 C/D会議室
参加者：30名（講師を含む）
配布資料：
　IT21-1712-0-###　CPD参加表
　IT21-1712-1　　　鉄道安全対策とリスク分析
　IT21-1712-2　　　マラソンとITの関わり
　IT21-1712-3　　　IT21の会 会計細則改定について
　IT21-1712-4　　　12月例会座席表

議事：
[1] 事務連絡
　・日本技術士会の本部移転に伴い、無償で利用できた会議室が利用できなくなる。
　　それに伴い定例会などの開催は、外部の会議室を有償で利用する必要がある。
　　そこで会則第６条の改定について説明があり、参加者多数の挙手によりこの案が
　　採択された。
　　また、1月は大崎、3月は表参道の会議室を利用する予定で会議室費用は3,000円程度
　　とのことである。

[2] 講演（サブテーマ）
　タイトル：マラソンとITとの関わり
　講師：新海　平氏
　資料：IT21-1712-2
　概要：
　　講師がこれまでに参加した13回の国内外でのフルマラソンについて、
　　それらの特徴と感想およびIT技術を取り入れたデータの記録方法について
　　講演された。主な内容を以下に示す。
　　・参加のハードルは参加費、抽選、滞在費（旅費を含む）
　　・北海道マラソンは国内では唯一、夏に開催される
　　・東京マラソンは靴に設置するICチップで通過時間を記録する
　　・ホノルルマラソンはゼッケンの裏側にICチップが設置されている
　　・マラソン開催時に周辺ホテルの価格が上昇する

　質疑応答：
　　Q. 東京マラソンでは仮装での参加者がいるが講師はどうか？
　　A. 仮装はしない。仮装は重量増になるのでタイムアタックを目標と
　　　する場合は不利になる。

　　Q. 腕時計以外でペースをモニターする方法は？
　　A. スマホのアプリで位置情報や心拍等をモニターする参加者もいる。

　　Q. スマホを携帯してマラソンに参加する人は多いのか？
　　A. 仮装と同様に重量増になるので、参加目的によって異なると思う。

　　Q. 箱根の５区を走ったことについて。
　　A. 正直きつい、時間も箱根駅伝の選手の２倍かかった。

　　Q. 計測機器の詳細について。
　　A. 通過位置に受信機能のあるマットを敷設し記録する。

　　Q. ICチップについて。
　　A. 回収する場合もある。（不正防止や再利用が目的）

　　Q. 海外のマラソンもホテル代が上昇するか？
　　A. 基本的には上昇するが、ホテル代より飛行機代がクリティカルになる。

　　Q. 招待選手も参加する場合、一般参加者とおなじICチップを使用しているのか？
　　A. 同じチップを使用している。

　　Q. ホノルルマラソンでは乳母車を推しながら参加している人もいる。
　　A. 禁止のルールはない、時間制限が無いのでそのような対応も可能。

[3] 講演（メインテーマ）
　タイトル：鉄道安全対策とリスク分析 -レジリエンス力の手がかりまで-
　講師：押立　貴志氏
　　　　押立技術士事務所　所長
　配布資料：IT21-1712-1
　概要：
　　これまでに発生した鉄道における重大事故を題材に、なぜ事故が発生したのか、
　　事故の原因の本質について講演された。主な内容を以下に示す。
　　・道路交通ではシートベルト着用、ABS、運転モラルの向上により
　　　事故による死亡者、重傷者は減少している。
　　・高齢歩行者の交通違反が増加している。
　　　→ 高齢化、認知の問題。
　　・鉄道は施設、車両、指令、運転士を１事業者で運営しているため
　　　独自のルールで対応が可能。
　　・危険時に鉄道は動力を停止することで安全を確保しやすい。
　　　（飛行機は動力を停止したら墜落する）
　　・鉄道事故では人身傷害と踏切障害が多い。
　　・踏切事故で死亡者がいる場合は、鉄道の乗客でない場合が多い。
　　　（自動車と衝突した場合、自動車の運転手が死亡しても踏切事故の
　　　　死亡者としてカウントされる）
　　・列車事故は長期的に減少傾向にある。
　　・短期的にはハード面での対応が安全確保に有効である。
　　　（ホームドアの設置など）
　　・重大な鉄道事故が発生すると、安全対策が強化され事故は減少する。
　　・鉄道事故での負傷者の多くは、ホームでの触車が多い。
　　　→ 飲酒による不安定行動による事故も増加している
　　・ホーム転落者を発見したら、まずはホーム上の非常ボタンを押す。
　　　（単独での救助活動は危険が多い）
　　・線路内での事故は高齢者が多く、死亡に至ることも多い。
　　　（特に踏切事故が多い）
　　・安全対策としてフェールセーフの考え方があるが、これを正常に
　　　機能させるためには、関係者の正常な行動が必要不可欠である。
　　・「良かれと思って」「人に迷惑を掛けたくない」という気持ちや行動が、
　　　自体を重大化、悪化させる場合もある。
　　・これまでの鉄道事故では、異常時でも何とか運行確保、
　　　乗客の利便性確保を先行し大被害に至ったケースも多い。
　　・異常時には「人に迷惑を掛けても良い」と言う対応も重要。
　　　→ それくらい異常事態であるという認識。
　　・なぜ事故が起きなかったのかをトレースする重要性。
　　・正しいことは何なのかを常に考える。
　　・真のリスクは人知の外にあることを留意する。

　質疑応答：
　　Q. 事象発生後の事故調査委員会の動きについて。
　　A. 事象発生から24時間以内に霞ヶ関から現地に向かう。
　　　結果報告は事象発生から１年を目標としているが規模により
　　　2～3年掛かる場合もある。通常は6～10ヶ月で最終報告を行う場合が多い。

　　Q. 検証実験について。
　　A. 通常は分析や解析、部品であれば工場などの機関で実証確認を行うが、
　　　力学的に解明できないケースでは再現実験などを行う場合もある。

[4] 初参加の方の自己紹介
　1名

（木村礼夫 記）