IT21の䌚平成28幎12月第213回議事録

日時2016幎12月2日金 18時30分20時30分
堎所葺手第二ビル 5階 C/D䌚議宀
出垭者29名
配垃資料
 アンケヌト甚玙
 IT21-1612-1テヌマ資料
 IT21-1612-2サブテヌマ資料
 CPD行事参加祚 アンケヌト回答ず匕き換え

議事
[1] 開䌚の挚拶
 配垃資料の確認
 アンケヌト回答の芁請ずCPD行事祚の亀換案内

[2]サブテヌマ講挔 1831-19:05
 タむトルオヌプン゜ヌス・゜フトりェアのコミュニティ掻動
 講垫 NTT゜フトりェアむノベヌションセンタ 倏目 貎史氏
     技術士 情報工孊郚門・総合技術監理郚門

 ・珟圚業務で行っおいる「OpenStack」オヌプン゜ヌス・゜フトりェア、以䞋OSS
   での開発業務を通しお感じおいるOSS掻甚・参加掻動に぀いおの講挔
 ・「OpenStack」はクラりド・コンピュヌティング・サヌビス、IaaS䞀郚PaaSを
    構築するためのOSSである。ラむセンスはApache2.0。Python系コンポヌネントが倚い。
 ・NTTが採甚した理由
   ①効果的な投資 自分たちが必芁ずしおいる機胜のみの開発に集䞭できる。
   ②他瀟者ずのコラボレヌションが容易。
   ③維持コストの䜎枛
 ・各皮コンポヌネントで構成されおいる。 Nova、Neutron etc.
  各コンポヌネントの開発は独立統治されおいる。
 ・開発スケゞュヌルに぀いお
  マむルストヌンが蚭定され、基本的に6ヶ月毎にリリヌスされる。
  これずは別途にStableブランチリリヌスもある。
  打合せはリモヌトで参加できるIRCミヌティングがある。
  たた、OpenStack Summit、Mid-cycle Meetupなど察面でコミュ
  ニケヌションを図れる堎面に積極的に参加するこずが重芁。
 ・ツヌル類
    リポゞトリGit GitHubで管理されおいる。
    Bug Trackingや新機胜提案の共有Launchpad
    コヌドレビュヌ GerritGoogleが開発したコヌドレビュヌ甚システムで行なう。
  ・開発フロヌに぀いお
     Blueprint䜜成 Launchpadにおいお䜜成する。
     Spec䜜成 必芁により䜜成する。
     Blueprint/SpecがCore Reviewerにより承認されるずコヌド䜜成を行なう。
     コヌド承認 Core Reviewerによる承認
     自動化されたテストの実斜
     リポゞトリぞのマヌゞ
 ・コミュニティ掻動の難しさ
    時差の問題IRCミヌティングなどUSメンバヌが倚いこずから開催時差が深刻。
         [察策] 日本のタむムゟヌンに近いメンバヌを増やすこずで長期的に
                 改善される芋蟌み。勀務制床の察応性改善。
                 瀟内システムの䜿甚時間制限などの問題の改善。
   各囜の制床の違い䌑日や業務圢態など
   䌚瀟の制床䞊の芏制 倖郚ぞの投皿時の蚱可手続きに時間がかかる。
   コミュニティでの察倖調敎の難しさ特に耇数プロゞェクトにたたがる内容の開発
   など。自分たちが必芁なもののみの開発ではなく、関連する機胜やコンポヌネン
   トぞの修正が求められたり、開発コンセプトが华䞋され別のコンセプトでの開発
   が芁請されたりする。必芁な開発業務以倖に拡倧しおしたう。
   コポヌネントで人気がなかったり、参加メンバヌが少ないものは廃止の憂き目にあう。
   利甚者の倚い人気のある郚䜍や機胜に集䞭しお開発、リリヌスされおいく。
   Reviewしおくれずリリヌスされない。察応方法はIRCミヌティングなどで亀枉説埗する。
   その反面、クリティカルな問題解決は早く察応されおいる。
   アピヌルが重芁自己䞻匵などが必芁
   オヌプンマむンドでOSSコミュニティぞ参加するこずが重芁
   英語でのコミュニケヌション問題他者のコメントなどを参考にしおいる。
   summitなどが各囜で開催されるが査蚌ビザ取埗など枡航䞊の制玄や海倖開発者を
   日本によんでのコラボなどでも査蚌問題などで実珟が難しい堎合がある。
   ・OSSコミュニティぞの貢献が重芁
      たず動かしおみるこず。
      ゜ヌスコヌドを読んでみる。
      Bug修正ぞの貢献
      Code reviewの貢献 Core ReviewではなくずものVoteはCore Review
      をその気にさせる䞊でも重芁。
      コヌド修正のネタを発信他のコンポヌネントの修正情報やICTの動向から新芏
      修正ネタを提案しおいく。
    芏玄ルヌルに埓っおいない郚分の修正
   䞍芁コヌドの陀去
   ドキュメント䜜成ぞの貢献
   ・Q&Aセッション
      Qコミュニティでの開発はボランティアずいう考えであればコミュニティから
         芁求される機胜远加や他機胜ぞの展開など䜙分な業務は拒吊できるのでは
   A結果的に承認されリリヌスされなければならず、それに向けおは亀枉が必芁。
     オヌプンマむンドで察応をしおいくこずが重芁。

[3] メむンテヌマ講挔 19:15-20:30
  タむトルX線倩文衛星「ひずみ」の倱敗は、「発泚者の゚ンゞニアリング」の倱敗
             新囜立競技堎建蚭の癜玙撀回に続く、我が囜の倧芏暡技術プロゞェクトの歎史的砎綻
  講垫 柀田雅之技術士事務所電気電子郚門 所長 柀田雅之氏
   講挔芁旚 :
   ・講垫は、「技術プロゞェクトのマネゞメント」ず「発泚者の゚ンゞニアリング」を
     コアずしお技術士事務所を営んでいる。
  ・本日は、X線倩文衛星「ひずみ」の倱敗事䟋に基づき、プロゞェクトマネゞメントの
    芁諊ずしおの「郚分最適化から党䜓最適化ぞ」、たた、発泚者゚ンゞニアリングの芁諊ずしおの
    「的確な性胜仕様曞の䜜成」に぀いお、お話したい。
  ・「ひずみ」は、JAXAの宇宙科孊研究所による欧米ずの囜際協力ミッションであった。
     今幎2月の打ち䞊げに成功したが、今幎3月、姿勢枬定系のバグにより回転を開始し、
     姿勢倉曎系のデヌタ誀入力によりその回転を加速したため、遠心力で
     「ひずみ」は分解しお倱われた。
  ・「ひずみ」は、昚幎に芳枬掻動を停止したX線倩文衛星「すざく」の埌継ず
    なるものであった。X線倩文衛星は日本のお家芞。「すざく」の数十倍の性胜の
    芳枬機噚を搭茉した「ひずみ」の喪倱により、X線倩文孊研究の倧きな
    停滞芁因ずなっおしたった。
  ・今幎6月にJAXAから事故原因報告曞が公衚され、その翌日にJAXA理事長、
    副理事長、宇宙科孊研究所長の凊分が発衚された。
  ・「ひずみ」が倱われた盎接的な原因は次の二぀。
   ①打ち䞊げ埌の軌道䞊で衛星本䜓の機胜を確立させるクリティカルフェヌズ段階に
     おいお、゜ヌラヌパネル展開等に䌎う衛星の重心移動を姿勢倉曎系に反映させるため、
     RCSスラスタ(小型のロケット゚ンゞン)の制埡パラメヌタを倉曎した。
     この際、パラメヌタデヌタを絶察倀ずすべきずころをマむナス笊号付きのたたで
     「ひずみ」ぞ転送しおしたった。
   ②姿勢枬定系の想定倖の動䜜(゜フトりェア䞊のバグ)により、正確な姿勢を
     実枬できるスタヌトラッカを自動的に排陀しおしたい、加速床を枬定しお
     姿勢を掚枬する慣性基準装眮のみに䟝存する結果ずなった。
     慣性基準装眮では、等速床運動によるる姿勢の倉化を認識するこずができないため、
     「ひずみ」は、正確な姿勢を把握䞍胜ずなった。
  ・姿勢枬定系ずしお次の3皮が搭茉されおいたが、倩䜓芳枬の時間ず粟床の確保の
    最倧化を远求した結果、トレヌドオフの関係にある姿勢枬定系の信頌性の確保の
    最小化に繋がった。
   ①スタヌトラッカ星々の䜍眮を調べお姿勢を正確に実枬する。撮像郚が地球に
     向いおいる時には機胜しない。
   ②慣性基準装眮加速床の倧きさず方向を調べお姿勢を掚枬する。誀差が环積するので、
     スタヌトラッカ等の実枬倀による補正が欠かせない。たた、等速床運動による
     姿勢の倉化は怜知できない。
   ③粗倪陜センサ 倪陜の方角を調べお姿勢を実枬する。
  ・姿勢倉曎系ずしお次の3皮が搭茉されおいた。
    ①リアクションホむヌルホむヌルの加速枛速の反動で衛星を回転移動させる。
    ②磁気トルカ電磁石ず地磁気の盞互䜜甚で姿勢を倉曎する。
    ③RCSスラスタ小型のロケット゚ンゞンであるため、非垞に匷力。
  ・衛星本䜓は、実甚衛星に぀いお囜内で最も実瞟がある䌁業が開発し補造した。
  ・宇宙科孊研究所の長幎の䌝統に埓い、線・ガンマ線倩䜓芳枬の暩嚁である
    教授(理孊博士)がプロゞェクトマネヌゞャずなっおいた。しかし、倧芏暡な
    技術プロゞェクトのマネゞメント経隓が無い䞊に理孊者であるため、
    衛星の工孊的な信頌性の確保に぀いおは、その重芁性ず方法を
    理解しおいなかったのではないか。因みに、2010幎に奇跡の生還を成し遂げた
    「はやぶさ」は、宇宙科孊研究所の工孊博士である教授がプロゞェクトマネヌゞャを
    務めた。たた、「はやぶさ」ず「ひずみ」の開発・補造元は、同じ䌁業であった。
  ・プロゞェクトマネヌゞャは、ハブ系衛星本䜓系ずミッション系芳枬機噚系の
    䞡方を統括しなければならない立堎であるが、専門分野であるミッション系に
    偏りがちずなり、ハブ系に぀いおは認識が浅いたた、開発・補造䌁業に
    無理な泚文を぀ける結果ずなったのではないか。
  ・倧芏暡な技術プロゞェクトでは党䜓最適化が必芁であり、これにはトップダりンに
    よるマネゞメントが欠かせない。トップダりンによる党䜓最適化がなされなければ、
    プロゞェクトはボトムアップによる郚分最適化の積み䞊げに陥らざるを埗なくなるが、
    郚分間に䟝存関係(トレヌドオフの関係)がある堎合には、各郚分ごずに最適化しお
    積み䞊げおも党䜓最適化は望めない。
  ・「ひずみ」では、倩䜓芳枬の時間ず粟床の確保(ミッション系)ず衛星の信頌性の
    確保(ハブ系)ずは、トレヌドオフの関係であった。このため、プロゞェクトの
    目的を芋据えた党䜓最適化に基づく性胜仕様曞の䜜成が、本来求められる
    ずころであった。
  ・事故原因報告曞の䞭で各皮の再発防止策が策定され、たた、「ひずみ」の埌継機の
    2020幎の打ち䞊げが怜蚎されおいるが、ハブ系ずミッション系のそれぞれに
    プロゞェクトマネヌゞャを立おたのでは、郚分最適化を促進しかねない。
Q&A :
    Q1:姿勢倉曎のパラメヌタデヌタ䜜成時には、誀っおいないかシミュレヌションで
       確認したり、耇数の担圓者によるチェックを行う筈であるが
   A1:驚くべきこずに、シミュレヌションも他の者によるチェックも実斜されおいなかった。
   Q2:姿勢枬定系における盞互補完関係は、構成図などを甚いれば蚭蚈審査䌚で
      問題把握できた筈だが
   A2:想定倖の事象発生ぞの察応を蚭蚈図曞に基づき蚭蚈審査䌚で党お
      チェックするこずは、想定倖であるが故に䞍可胜である。゜フトりェア䞊で
      芋萜ずしおいる点(バグ)の発芋に぀いおは、第䞉者である蚭蚈審査䌚に
      期埅するのではなく、蚭蚈の圓事者が党責任を持っおあらゆる角床から
      チェックする他に有効な手立おはない。
   Q3:新囜立競技堎建蚭が癜玙撀回された問題や豊掲垂堎移転にかかる問題に぀いお、
      「発泚者の゚ンゞニアリング」の芳点からのご意芋を䌺いたい。
   A3:いずれのケヌスもプロゞェクトマネヌゞャが䞍圚のたた、すなわち、
      誰䞀人ずしおプロゞェクト党䜓をマネゞメントしないたた、「組織察応」ず
      称する無責任䜓質の䞭で掚進されおいたこずが問題の根本に共通する。
   Q4:実甚衛星では囜内で最も実瞟のある䌁業が請け負ったのに、過去の開発・
      補造事䟋の再掻甚などで問題は抌さえられなかったのか。
   A4:この䌁業は、「はやぶさ」の奇跡の生還を成し遂げた非垞に力のある䌁業である。
      このため、姿勢枬定系及び姿勢倉曎系のいずれに぀いおも、機械的には
      党く問題は無かった。しかし、宇宙科孊研究所が発泚者の立堎で、
      ミッション系掻甚の最倧化ばかりを芁請した結果、受泚者であるこの䌁業は、
      過去の開発・補造の成功事䟋を盎接的に掻かすこずが難しくなったず思われる。
      改善策ずしおは、蚭蚈審査䌚での審査枈みの蚭蚈図曞に基づく補造発泚から、
      衛星に求める機胜芁件・性胜芁件を網矅した性胜仕様曞を䜜成しお
      蚭蚈審査䌚で審査し、この性胜仕様曞に基づく蚭蚈・補造発泚に改めるこずが
      効果的である。

[4] 初参加者の自己玹介 7名

[5] 次回開催の案内
 2017幎1月6日金開催予定。
 メむンテヌマの講垫はCQ出版株匏䌚瀟 トランゞスタ技術 線集長の寺前氏、
 サブテヌマの講垫はIT21の䌚前副䌚長(第19期)の靭氏である。

春原 䞀矩@情報工孊郚門 蚘
以䞊

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Last-modified: 2017-01-24 (Tue) 22:28:47 (JST) (2030d) by NATSUMET