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IT21の会 (平成28年5月) 第204回議事録

日時：2016年5月13日（金）18:30～19:45
場所：機械振興会館 B3-1会議室
出席者：22名
配布資料:　CPD行事参加票(IT21-1605-0)、メインテーマ資料

議事：
[1] メインテーマ　:　イノベーションと技術者・技術士　〜文系・理系の間の違和感は楽しもう〜
　講師　:　中村直人氏　技術士(電気電子)　北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科
　 概要　:　3部構成である。「1 : イノベーションの世界へようこそ」では、次の説明があった。イノベーションは再現性が無く主観的に評価されるものであることから、経営学や経済学における捉え方が重要となる。これには、理系と文系の世界の違いについての理解が技術者・技術士には欠かせない。
　「2 : イノベーションとはなんだろう」では、諸論文の引用に基づき、次の説明があった。イノベーションの和訳として「技術革新」が用いられる場合が多いが、イノベーションは技術革新よりも広義である。経済学の観点では、新製品の生産、新生産方式の導入、新市場の開拓、原料等の新供給源の獲得、新組織形態の実現、の5つの新結合の遂行によりイノベーションは起きると捉える。ここに技術者・技術士は表立って登場してはいないが、技術者・技術士が持つ知識・技能は新結合に欠かせない。経営学の観点では、より優れたより経済的な財やサービスをつくりだすために、予期しないことの生起、現実と理想の不調和、仕事改善のニーズ、産業構造や市場の変化、人口構造の変化、物の見方・感じ方・考え方の変化、新しい知識の出現、の中にイノベーションの機会が見出されると捉える。技術者・技術士がイノベーションに適応するには、技術パラダイムの変化に注目する必要がある。そこで、その変化(企業形態における製造業から創造業、事業展開におけるスピンオフからトリクルアップ、研究開発におけるドミナントデザインから見えざる敵、製品開発におけるパイプラインから需要表現、技術革新における技術突破から技術融合)に目を向けることの重要性について、具体的な説明があった。
　「3 : イノベーションの舞台はどこだろう」では、次の説明があった。イノベーションの舞台では、一人芝居は困難であり、複数の登場人物が必要である。技術者・技術士として、他の登場人物に巡り合ってイノベーションの舞台に立つためには、専門分野の技術力、技術の「幅」、交渉力、夢を技術に翻訳する力、を磨いておくことが肝要である。また、イノベーションの舞台を支えるものとして、今日の諸サービス(FabLab、クラウドソーシング、電子商取引、クラウドファンディング、)が拡がりを見せている。
　最後に、「技術が無ければ、新結合なし」、「技術だけでも、新結合なし」、「現代に、新結合の機会あり」と総括した。

[2] 初参加の方の自己紹介　(2名)

[3] 今後の予定
　5月28日(土) 13:00〜17:00に、渋谷のフォーラムエイト774会議室において、IoTをテーマとする半日合宿を開催する予定