it21​/public​/proceedings​/201503

IT21の会　平成27年3月度例会(第191回)議事録

日時：2015年3月13日（金）18時30分～20時30分

場所：日本技術士会　葺手第二ビル　5階C/D会議室

参加者：29名

配付資料：

　IT21-1503-0　　　参加票

　IT21-1503-1　　　技術が支える安全・安心 ～警備会社の技術者として～

　IT21-1503-2　　　国際難読化Cコードコンテストに見る「読みづらさ」の考察

議事：

[1] メインテーマ「技術が支える安全・安心 ～警備会社の技術者として～」（木村 卓哉氏）

　資料：資料IT21-1503-1

1.警備業界の紹介

・ 警備は1号警備(施設警備、機械警備)、2号警備(交通整理、雑踏警備)、3号警備(警備輸送)、4号警備(身辺警護)と法律で定められている。
・ 警備業界の規模は売上高約 3.2兆円で、菓子業界、医療機器業界とほぼ同じ規模である。

2.会社紹介と警備会社のシステム

・ ALSOK(綜合警備保障株式会社)は、1965年7月設立で、売上高(連結)で 3,282 億円である。ALSOKの業務別売上高の46%を機械警備が占める。
・「ALSOKガードシステム」、「ホームセキュリティ」などの機械警備では、警 備対象先の施設に各種センサーと主警備装置を配置する。異常時には、主警備装置 からガードセンターに信号が通知され、ガードセンターからの出動指示に基づいて警 備員、保守員が警備対象先に出向く。
・ タウンセキュリティは街に対して一括して警備サービスを提供し、全住居に ホームセキュリティを行い、ガードマンによる巡回サービスも行う。
・ ガードロボットは警備員不足の解消、受傷事故防止を目的としており、現在 では巡回警備を行うロボットも存在し、自動巡回、エレベータの乗降、特定人物の画 像認識なども可能である。また、この巡回警備ロボットの技術を利用して、施設案 内のロボットとしても利用している事例も多い。

3.私(木村 卓哉氏)の業務

・ 木村氏は、ALSOKに2012年4月に入社し、10月までの半年間の現場研修を経験 したが、その中でホームセキュリティの定期点検業務においてセンサーの電池交換が 保守員・警備員の負担が大きいをことを実感し、改善したいと考えるようになった。
・ センサーの電池交換を無くすために、以下の2つの面からアプローチを行った。
(1) センサーが自ら発電しながら駆動するための環境発電の利用の検討
(2) センサーの低消費電力化
・ 環境発電技術には太陽光発電、振動発電、温度差発電、電波発電などがあ り、これらの中では太陽光発電が可能性が一番高かったが、二次電池にも充電回数に よる寿命があること、室内では十分な照度が得られないことから実用化は難しいと 考えた。
・ センサーの低消費電力化については、センサーと主警備装置間の通信に着目し、低消費電力無線 IEEE 802.15.4 について研究を行った。通信速度の向上に より低消費電力化が図れるのではなかと考え研究を続けている。
・ センサーメーカへの発注のための仕様については、従来は「1日あたり○○回通信で5年の電池寿命」といった動作仕様であったが、電池切れや想定した距離で 通信できない事例が発生しているため、数値、理論に基づいたより具体的な仕様策定 をしたいと考えている。

4.質疑応答

(Q) 低消費電力化が目的であれば、通信速度を向上するよりもセンサーの電圧を 下げる方が効果が高いのではないか？
(A) 確かにその考え方もあると思う。

(Q) 通信方式を特許で保護することを考えているか？
(A) 考えている。特許を取得するために通信プロトコルをオープンにする必要が あるが、そのために攻撃されるリスクが生じる点を懸念している。

(Q) 巡回ロボは犯罪に対してどこまで対応できるのか？
(A) 例えば、万引きの常習犯の画像を記憶し、それにより人物を特定して、追い 返すようなことが想定されている。

[2] サブテーマ(1)「国際難読化Cコードコンテストに見る「読みづらさ」の考察」（松村 俊太郎氏）

　資料：資料IT21-1503-2

・経験則から読みやすい文書の法則よりわかりにくい文書の法則の方が少ないと 考え、読みにくさを徹底的に追求した国際難読化Cコードコンテスト(IOCCC)に松村 氏は着目した。
・国際難読化Cコードコンテスト(IOCCC)とは、故意に読みづらいC言語のコード を書き、コードの汚さ、目にした瞬間のインパクト、実行結果の美しさを競うコンテ ストである。
・IOCCCの過去の入賞作品2点（アスキーアートから円形を描き、その円形から円 周率を求めるプログラムと一行コード）を紹介。
・文書を書くときに、文書のピラミッド構造化、および冗長な文、意味不明な単語、長すぎる文章、を避けることを提案。
・余談として、よく使われているが日本語としては正しくない言葉（申し訳ござ いません・とんでもございません）を紹介。

[3] サブテーマ(2)「ML委員の募集」（新海 平氏）、「19期会費支払いのお願い」 (大西 一弘氏)

・ 新たなML委員についての募集が現ML委員の新海 平氏からあった。
・ 19期の会費支払(4/30期限)についての依頼が18期会計役員の大西 一弘氏から あった。

[4] 初参加の自己紹介　9名

[5] その他

[6] 今後の予定

　４月予定：2015年4月3日(金) 18:30～20:30 葺手ビルにて開催予定

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上　（大西 一弘 記）