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IT21の会　平成25年1月度例会(第169回)議事録

　日時　平成25年1月11日（金）18：30～20：30

　場所　日本技術士会　葺手第二ビル5 階 CD会議室

　参加者　23名（講演者の赤澤氏，安部氏を含む）

　配布資料

　　IT21-1301-0 CPD行事参加票

　　IT21-1301-1 IT21の会　01月度例会の案内　第1版

　　IT21-1301-2 産業活動と外来生物～生物多様性の危機を考える～（赤澤豊氏）

　　IT21-1301-3 産業活動と外来生物～日本固有の自然を考える～サイエンスアゴラ２０１２（赤澤豊氏）

　　IT21-1301-4 一般社団法人　生物多様性保全協会（赤澤豊氏）

　　IT21-1301-5 こども環境白書２０１１（環境省）（赤澤豊氏）

　　IT21-1301-6 統計から見た技術士第一次試験（安部文武氏）

　　IT21-1301-7 例会アンケート

議事

<1> メインテーマ「産業活動と外来生物～日本固有の自然を考える～」（赤澤氏）

<1.1> 生物多様性とは(資料IT21-1301-2 p.2～p.22)

　　　・生態系とは何か。生態系とはすべての生命の存立基盤であり，この中ですべての生物の生命が維持され，

　　　　そして，食物や健康，技術，さらに「文化」と互いに調和しあいながら「社会」の持続性を保ってきた。

　　　・生物多様性とは何か。生態系，種，および遺伝子の３つのレベルがある。固有の種や環境によって支えられている

　　　　生態系の多様性を守る視点が重要。

　　　・生物多様性の危機とは何か。開発乱獲による種の減少・生態系の破壊，人の関わり不足（ex.手入れ不足）による

　　　　生態系の変化，外来種による生態系の攪乱，地球温暖化による種の絶滅・生態系崩壊の４つのパターンがある。

　　　　外来種の影響は最近，大きな影響として認識され始めた。

<1.2> 生活・産業と外来生物(資料IT21-1301-2 p.23～p.56)

　　　・外来生物とは何か。影響，種類，および法的規制について。

　　　・外来種は新たな産業を生み出す，あるいは産業を守る効用もある。

　　　・特定外来生物（規制の強い外来種）について，どのようなものがあるかを具体例で説明。

<1.3> 日本の自然(資料IT21-1301-2 p.57～p.71)

　　　・日本の自然の固有的特徴について。

　　　・自然災害のもっとも多い国である。

　　　・日本人の自然観，自然との共生によって造られてきた文化や社会システム。

　　　・日本の生態系はこのような自然観によって守られてきた。

<1.4> 生物多様性の保存(資料IT21-1301-2 p.72～p.84)

　　　・外来生物を防除するには。入ってしまったら駆除は難しい。技術をどうやって活用するかが課題。

　　　・自然の中には淘汰して排除する仕組みもある。

　　　・日本の自然の特質の中で，自然の力を利用して解決する「技術力」が求められている。

　　　・技術士として考えていかなければならないこと。３Ｒ，省エネ，生物多様性は相互に関連している。

　　　　環境，経営，情報の技術の融合が重要である。

　　　・生態系の可視化や解析に関し，ＩＴを活用した，量から質への転換を期待したい。

<1.5> Q&A

　　(Q-1) 自然環境を保護する際に，多次元の軸で考える必要があるとのことだが，どういう価値観でみればいいのか？

　　(A-1) 恒久的な解はない。技術の進歩によって価値観も変わる（eg. 再生医療）。時代時代で考えていく必要がある。

　　　　　単純に１つの価値観だけでは評価できないということである。

　　(Q-2) 古くからいるコウモリがいなくなったのはなぜか？

　　(A-2) 生き物は空いている生息空間があれば侵入し，コウモリも夜の空に入ってきた。巣となる家屋や樹洞などの減少

　　　　　といった環境変化が関係していると思うが私は詳しくはない。

　　(Q-3) 有害な外来種を積極的に駆除しているように見えないが？

　　(A-3) 環境省の財政的な要因も大きいと思う。外来種は自然のコントロール下で淘汰される，あるいは新たな産業資源となる

　　　　　可能性もあり，絶滅危惧種の保護の方が優先されるケースが多い。

　　(Q-4) 本資料作成にどれくらい時間を要したのか？

　　(A-4) ３０ｈくらい。

　　(Q-5) 外来種の防除は外国ではやっているのか？日本固有の課題なのか？

　　(A-5) 日本のクズ(葛)は外国では外来種として防除している。ただ，外国は自然を改変していく文化，

　　　　　日本は自然に順応する文化，という自然観の違いは少なからず対応にも影響していると思う。

　　(Q-6) 種が混じって外来種が表面化しにくくなる場合もあるのでは？

　　(A-6) あり得る。ただ，欧米は経済的な影響を主として見るのに対し，日本は金以外の価値観でも見ているので，

　　　　　問題認識のレベルに違いがあるかも知れない。

　　(Q-7) ニホンミツバチの例のような生態系の仕組みは「科学的」な方法で認知できるかのか，

　　　　　それとも結果論でしかわからないのか？

　　(A-7) ポイントは再現性の確度を上げること。測定技術やＩＴ技術を駆使すれば可能と思っている。

<2> サブテーマ「技術士第一次試験と統計（その３）」（安部氏）

<2.1> 技術士試験の仕組み

　　技術士試験の仕組みと第一次試験の概要の説明

<2.2> ２０１２年度第一次試験の統計的考察

　　種々の切り口からみた合格率の特性

　　部門ごとの試験科目，出題傾向の特性

　　共通科目受験者は少ない

<2.3> ２０１２年度第一次試験の結果と２０１３年度の概要

<2.4> Q&A

　　(Q-1) ≪要望≫「生物」の下に「環境」を入れて欲しい

　　(A-1) 了解

　　(Q-2) ２０１３年度の合格ラインは決まったのか？

　　(A-2) 毎年2月頃発表されるので，まだ分からない（嶋田氏）

<3> 初参加者の方の自己紹介

　　4名の方から，自己紹介を行っていただいた。

<4> その他

　　特になし

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　以上（加藤博己記）