it21​/public​/members_contents​/glossary​/detail​/用語解説_強電と弱電

東京電力のHP http://www.tepco.co.jp/life/elect-dict/f​ile/ja_001-j.html での「強電と弱電」の定義では、以下のように述べられている。

大きな電流を使う工場などの電気機械や、モーターを使った家庭用の電気器具をあわせて「強電」、一方で使用する電力が少ない通信機械を「弱電」とよんでいました。電気の技術を分類するときに、たいへん便利な言葉としてよく使われていました。
しかし、最近では技術の進歩で、弱い電流で回る超小型のモーターなどの出現で、「強電」と「弱電」の区別がしだいに曖昧になってきています。

上記の記載のように、家庭用機器でも強電のものはある。具体的には、冷蔵庫・洗濯機・炊飯器・ホットプレート・電気コタツなどで、モーターや電熱を利用するものが該当する。電気照明も強電の部類である。

また、それに対して弱電は、電話・無線通信・テレビ・ラジオ・パソコンなどで、本体内部のトランス（変圧器）で12ボルトに減圧して回路が動作する仕組みである。

電気工事関連のバイブル「内線規程」では、弱電を「弱電流回路」として、以下のようにテレピなどの聴視回路以外に専用発電機からの60V以下の回路などと定義されている。（一部句読点などで記載変更している箇所がある。）

a 電信、電話回路、火災報知設備の回路
b ラジオテレピなどの聴視回路、その他これに類する回路
c インターホン、拡声器などの専用の音声回路
d 高周波又はパルスによる信号の専用伝送回路
e 一次電池から供給される使用電圧30V以下の回路
f 一次電池(30V以下のものを除く)、二次電池、専用の発電機などから供給される60V以下の回路であって、小勢力回路の施設の規定に準じて過電流保護又は電流制限の行われたもの

なおここでの60Vを、48Vや50Vとしている企業などもある。また家庭用の弱電の機器内でも、強電流回路／弱電流回路とか強電部／弱電部と、強電の部分と弱電の部分を区別する時もある。

また、以下では「強電流工学」と「弱電流工学」のいきさつで、参考となりそうなことが書いてある。P140(ファイル上は6ページ目)の”C大学の例‎”の部分である。

　　さまざまな工学部学科・専攻で行われた 教育改革の実例 - 土木学会
　　http://www.jsce.or.jp/library/open/proc/​maglist2/02504/2009/01-0135.pdf‎

昔は2つを勉強したが、電子工学の発展で勉強ボリュームが増えていった。そのため2つを科目として対比的に用いることが無くなり、「強電流工学」と「弱電流工学」という言葉も廃れていったようである。

余談だが、俗に「電気屋（強電屋）の頭叩けばjωの音がする」と揶揄されたり、弱電屋では（jωの替わりに）hパラメータを使って揶揄されたりもする。 ちなみに、ここでのjωは電気での周波数特性を示すG(jω)での記号であり、hパラメータはトランジスタの特性の一つである。