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- IT21の会 11月例会議事録
+ IT21の会 第247回（令和元年11月度）例会議事録
  日　時：令和元年11月１日（金）18：30～20：30
  場　所：東京ウィメンズクラブ　第一会議室ＡＢ
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  　　　　　IT21—1911—1　メインテーマ資料「国内核燃料サイクルの概要と富士電機の原子力事業」
  　　　　　IT21—1911—2　サブテーマ資料　「サイバー攻撃の被害事例と対策について」
  議　事：
 ：30－18：35　会長挨拶、事務連絡（順番の交代）、初参加者はなし。
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 ：40－20：25　サブテーマ、質疑
 ：25－20：30　今後の予定等案内
  議事の概要
  １．事務連絡；サブテーマの講師の方が交通渋滞で遅れるため、順番を変えてメインテーマを先に話して頂く。
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  ≪講演概要≫
  ・富士電機は、川崎に工場を持っており、電力関係の多くの事業（製造・運営等）を行っている。
  ・自分は、群馬高専・東京農工大学・東北大学大学院で学び、1989年（平成元年）富士電機㈱に就職したが、一貫して原子力プラントや核燃料サイクルに関わってきた。
  ・原子力発電を取り巻く環境は、2011年の福島原発の事故を境に大きく変貌した。かつて、原子力発電はCO2削減を規定したパリ協定（2030年には2013年時点の２６％削減）を実現する切り札として、エネルギー全体の40％に増やすことを目標としていたが、現況10％代になっている。全国の原子力発電所で稼働中なのは４か所９基のみで、廃炉が決定しているのが４か所24基もある。
  ・核燃料サイクルとは、原子力発電で使い終えた核燃料から核分裂していないウランや新たに生まれたプルトニウムをエネルギー資源として回収し、再び原子力発電の燃料に使う仕組みである。これには再利用されずに一部廃棄するサイクル（バックエンド）も含まれている。再利用するサイクルは別名「プルサーマル」とも呼ばれている。核燃料サイクルの工場は茨城県東海村と青森県のむつ・六ケ所村に集中している。使用済み燃料の再処理工場について、工場は出来ているものの事業変更認可は降りていないので、建設は止まったままである。使用済み燃料は，再処理前に各発電所内で一時的に貯蔵・保管されるが，その後再処理工場へ搬出するまでの間，中間的に貯蔵する施設も並行して計画をしている。
  ・もともと天然のウランには、安定しているウラン238が、99.3％および核燃料に使うウラン235が0.7％含まれている。この0.7％を遠心分離機等で3％～5％に濃縮して燃料にする。最終的に二酸化ウランUO2の粉末を固めたものを燃料棒にして発電所まで輸送する。この成型加工プロセスの加工会社は３社日本に存在するが、加圧水型原子炉（PWR）と沸騰型原子炉（BWR）用が存在する。
  ・再利用する仕組みについて。使用済み核燃料の中には、まだ利用できるウラン235が１％および生成されたプルトニウムが１％程度含まれており、これを取り出して利用することが出来る。ウランとプルトニウムの混合物はMOXと呼ばれている。
  ・放射性廃棄物の処理方法については、種類によって多くの処理方法が考えられているが、高レベルのものはガラス原料で固めた上で地中深く埋設するしか方法がない。高レベル廃棄物は，現在日本では，青森県六ケ所村にて一時的に保管をしているが，現時点で最終処分場は未だ確定しておらず，将来的に大きな課題となっている。海外では，フィンランドで現在，最終処分場となる地中施設を建設中である。
  ・富士電機における原子力事業は、日本で商用原子力発電の最初である「東海発電所（ガス炉）」を建設して以来、多くの形で一貫して日本の原子力発電に貢献してきた。原子力発電所の主流が「軽水炉型」になってからも、「常陽」「もんじゅ」等の多くの開発に他企業と協力しながら、日本の原子力事業の一翼を担ってきた。特に最近では、遠隔操作としての「ロボット技術」も大きく貢献している。核施設・設備の説明詳細。「グロープボックス」「ジオポリマー硬化剤」等。
  ≪質疑≫
  Q:燃料ペレットの加工であるが、BWR向けとPWR向けでは、形状が違うのか？」
  A:だいたい同じである。正確には、[BWR：直径約10ｍｍ,高さ約10ｍｍ]、[PWR：直径約8ｍｍ,高さ約10ｍｍ]です。
  ３．サブテーマ
  演題：「サイバー攻撃の被害事例と対策について」
  講師：不動裕太氏・中野茉莉華氏　三井住友海上火災保険㈱　横浜支店横浜第三支社
  ≪講演概要≫
  ・サイバー攻撃の損害が増えており、その保険が商品になっている。その事業の中で得られた知見。
  ・三井住友海上火災保険は、日本の三大保険会社の一つであり収入保険料は１兆５千億円を超えている。当社は、「社会との共通価値を創造する」ことを目標に掲げ、いわゆる「CSV活動」にも重点的に取り組んでいる。また当社は「リスクを見つけ伝え」「その発言を防ぐ・影響を少なくする」ことをビジネスモデルとしている。事業の中で得られた知見から「リスク減少のためのセミナー」やコンサルタントも行っている。
  ・日本国内のネットワークに向けられたサイバー攻撃関連の通信件数は、国立研究開発法人情報通信研究機構によると2016年で1400億件と年々倍増している。その中でもメールによる「標的型攻撃による被害」が最大脅威になっている。また「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃」が４位と急速に数を増やしている。攻撃メールかどうか分からないような巧妙な文章で企業人を誘い、特定のサイトに誘導したり、添付メールを開かせることによりウィルスに感染させ、データを流出させる手法である。最近では大企業を直接攻撃しないで、下請けなどの脆弱なセキュリティを持つ中小企業から入りこみ、そのサプライチェーンをステップにして目標の会社に侵入する手口も増えている。かつては「個人情報」が盗まれる対象であったが、徐々にランサムなどの営業妨害的な手口も増えている。
  ・この情報漏洩・サイバー攻撃が発生すると企業には多大な費用が発生する。顧客への詫びに金券の送付など、相手が10万人単位ならば、時には数千万円にも上ることがある。当社の保険金支払いでも１億円を超える事例が出ている。それほど「サイバーセキュリティ」の問題は会社の「経営」課題になりつつある。
  ・当社の保険名は「サイバープロテクター」というもので、海外への影響も含めて非常に広範にカバーしている商品である。原因を調査したり復旧したりするための会社を紹介することもカバーしているし、「標的型メール」の模擬訓練サービスも行っている。予防から対策・保険金支払いまで含めた「オールインワン」の商品になっている。某電気販売店では、情報漏洩から公表まで３ケ月近く掛かって世間の批判を浴びるような事件があったが、そのような時のアドバイスもすることになっている。
  ・経産省では、サイバーセキュリティ対策として、民間の保険に入ることも一つの手段であるという言い方をしている。
  ≪質疑応答≫
  Q:個人のサイバー被害について、火災保険の特約ではカバー出来るか？
  A:火災保険や自動車保険に付帯することが可能な日常生活賠償特約（個人賠償特約）は物損や人に対する損害を補償するものであり、サイバー攻撃のような実損を伴わない賠償（純粋経済損失）を補償することはできません。
  Q:自分が仲介的に流したメールで送り先が被害にあった場合は、自分が損害補償するのか？
  A:自分が原点でなければ、自分に責任はないかと思われる。逆に被害者（請求者）の可能性も。
  Q:保険商品の説明があったが、保険料はどの程度か？
  A:サイバープロテクターは業種・売上高・その他サイバーリスク対策状況のヒアリング結果に基づき保険料計算を行っている。オーダーメイド商品のため、保険料は契約者によって大きくことなる。一例として保険料を提示すると以下の通り。
  ･業種:受託開発ソフトウェア業・プログラム作成業
  売上高/保険料（年間）
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 億円/250万円
 億円/900万円
  ･業種:インターネット付随サービス業・情報処理提供サービス業
  売上高/保険料（年間）
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 億円/200万円
 億円/680万円
  以上
  （議事録担当:河内康）

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